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西山家住宅

ページ番号:529678676

更新日:2023年5月11日

写真

登録文化財
西山家住宅
(にしやまけじゅうたく)
所在地:豊中市岡町南2-14-55
登録年月日:平成19年(2007年)12月5日

 洋館1棟、離れ1棟、待合1棟、渡廊下1ヵ所、高塀1ヵ所

追加登録年月日:平成30年(2018年)11月2日

 主屋1棟、正門及び高塀


 西山家住宅は阪急宝塚線岡町駅の西400mにあり、岡町住宅のほぼ中央に位置しています。大阪南堀江の金物商で支店長を務めた西山丑之助(にしやまうしのすけ)が大正元年(1912年)に岡町住宅経営株式会社から家屋(現主屋)付きの土地を購入したものです。
 岡町住宅地は明治45年(1912年)の開発で、宝塚沿線に開発された住宅地の中では明治43年(1910年)の室町住宅地(池田市)、明治44年(1911年)の桜井住宅地(箕面市)に次ぐ古さを持っています。
 主屋は二階建てで地元の森田工務店の施工と伝えられています。
大正3年(1914年)頃、南側の土地に洋館を建て、昭和4年(1929年)には地元の河崎組の施工で離れ座敷を建てています。その後、昭和14年(1939年)から同16年(1941年)にかけて三越大阪支店住宅建築部(技師岡田孝男)による洋館の改造、離れ座敷の茶室の改造と渡り廊下・待合の新築、そして京都の造園業者川崎順一郎と重森三玲による枯山水の造園があり、敷地の南半分には高塀で囲まれたなかに和洋を混じた近代的な数寄屋と庭が総合された空間を出現させました。

<洋館>

 大正3年(1914年)から5年(1916年)頃の建築で、竹中工務店による施工です。比較的単純な意匠の小規模な平屋の洋風建築です。
 当初は東側にバルコニーを設けていたといいますが、昭和14年(1939年)の改築をへて現在の姿になりました。10畳大と3畳大の2室と玄関からなり、内部は白亜の漆喰塗り、外面はクリーム色の大壁仕上げとし縦長の短形の窓を配した単純明快な構成をもちます。
 屋根は亜鉛銅板葺でL字型に寄棟とマンサードを組み合わせ、軒線を強調した小さいけれども複雑な構成になっています。当時の郊外住宅においてしばしば別館として建てられた小型洋館の一例であり、玄関などの後設された個所もありますが家具類を含めて総じて往時の姿がよく保存されています。

<離れ座敷>

 入母屋造の本体の周りに下屋庇をつけ、それに雁行した切妻造の張出し部が付いた構成になります。屋根は軒部を銅板葺とした桟瓦葺。本体部は10畳と6畳の続き座敷からなり、その周囲を廊下が取り囲み、裏側では廊下に沿って便所・物入れ・女中部屋・茶の間・台所・風呂場を配置し、東側に玄関と茶室を張出しています。離れ座敷からは縁廊下をとおして枯山水の庭を望むことができます。座敷の床の間は平書院・押板床・畳床・棚などを組み合わせて工夫に富んだ構成です。一部に改造があるものの台所や便所なども当初の姿が保たれていて、全体としての昭和初期の建築当初の構成と雰囲気を良く残しています。庭園に面する縁先の内部桟のない大きな一枚のガラスの戸など貴重です。

<茶室>

 離れ座敷の玄関横に付属しています。離れ座敷を中にして洋館と対照をなすものになっており、昭和16年(1941年)に茶室の研究家であった岡田孝男による改装が加えられたもの。4畳半台目の近代的な書院風の茶室で、庭園に面していて広やかな気分を漂わせています。正面に青龍の額をかけています。

<待合>

 玄関先には砂雪隠を備えた待合があり、茶室と一対の構成になっています。

<渡廊下>

 主屋側から庭園に沿って折れ曲がりながら爪先上りに洋館の玄関に至る外廊下です。網代天井に砂壁や竹を用いた和風の軽快な建物です。一方を壁、庭側は垂れ壁と腰壁の間を開放として視点を変化させながら庭園を鑑賞させる工夫をしています。

<高塀>

 延べ49,42メートルあり、コンクリート基礎の上にたつ真壁式のもので、高い腰壁には焼杉板を大和内に張り、一文字瓦の屋根をのせています。大正元年(1912年)に主屋と同時に建築されています。室戸台風や阪神淡路大震災にも耐えて残り、その統一された構成により見事な歴史的ともいえる景観を形成していて、この地区の記憶としての役割を果たしています。

<主屋>

 阪急岡町駅西側に広がる住宅地のほぼ中央にあり、敷地北寄りに北面して建っています。東西棟平屋建の接客部と、その西側に接続する南北棟二階建ての住居部から成ります。接客と生活の動線を明快に分け、数寄屋風の茶室を備えるなど、近代郊外住宅の一類型を伝えています。

<正門>

 正門は切妻造の腕木門で、軒上に精細な格子欄間を設け、前後に小庇を付しています。門から矩折れで高塀が延びています。


 ※当住宅の一般公開は行なっていません。

お問合せ

教育委員会事務局 社会教育課 文化財保護係
〒561-8501
豊中市中桜塚3丁目1番1号 豊中市役所第一庁舎6階
電話:06-6858-2581
ファクス:06-6846-9649

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