豆知識【消化器内科(消化管)】:保険適応となったがん遺伝子パネル検査で次の治療薬の探索を
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更新日:2024年12月27日
国立がん研究センターによると、2022年には380,400人ががんによって死亡すると予測されており、消化器癌はこのうち上位10位の6つを占めております。発見時に手術が不可能な消化器癌の治療は、症状の緩和や延命を目的とした化学療法が選択されます。従来は、がん細胞だけでなく正常な細胞にもダメージを与える抗がん剤が主体でした。
がんは、遺伝子変異(異常)によってできた異常なタンパク質のはたらきにより発症する疾患です。近年、この異常なタンパク質の作用をうまく抑える治療薬(分子標的薬)の開発や、がん遺伝子を調べる技術も進歩してきております。2019年からは生検や手術などで採取されたがん組織から多数の遺伝子変異を一度で検査できる「がん遺伝子パネル検査」が保険適応となりました。2021年8月には、がん組織がない場合でも血液の中の微量ながん遺伝子からパネル検査を行うことも可能になりました。このがん遺伝子パネル検査は、「がんゲノム医療中核拠点病院」、「がんゲノム医療拠点病院」、「がんゲノム医療連携病院」で受けることができます(2022年12月1日現在、全国で189カ所)。当院は、このうち「がんゲノム医療連携病院」に指定されており、通常の抗がん剤治療を継続しながら、シームレスにがん遺伝子パネル検査(2023年2月現在固形がんのみ適応)を受けていただくことが可能です。
