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主な疾患:大腸がんについて

ページ番号:732078920

更新日:2023年3月3日

大腸がんに対する手術

がん病巣を切除することができる場合は、根治をめざす上で、がんの切除が最も大切です。がんを切除する方法は、内視鏡的切除と外科的切除の2通りがありますが、内視鏡的切除を実施できる状態はがんが深くなく(深達度が浅い)、かつリンパ節に転移がないと考えられる場合に限ります。がんの深逹度が一定以上に深く、リンパ節転移の可能性が疑われる状況では、リンパ節郭清を伴う腸管切除を外科手術で実施することが勧められます。

またがん病巣を切除することができない場合には、最も優先される治療は、通常化学療法になりますが、がんによる腸管狭窄症状や出血症状を伴う場合などには、まず外科手術をした方がよい時があります。

従来、外科手術は「開腹手術」が一般的でした。現在も開腹手術は重要な手術であることには間違いありませんが、腹部に大きな傷が必要なため、手術後の痛みが強かったり、腸管の動きが回復するまでの時間がかかるなどの問題点がありました。

当院では、患者さんの手術でかかる負担を少しでも軽減すべく、できる場合には小さな傷から内視鏡を腹部に挿入して実施する「腹腔鏡手術」を行っています。年間約200名の患者さんが腹腔鏡手術で大腸切除を受けておられ、数多くの治療を行ってきた実績を有しています。腹腔鏡手術では、臍付近に約3~4センチメートルの傷と、その他にいくつかの5ミリメートル~1センチメートルの傷が必要となりますが、開腹手術と比べると非常に小さな傷で済むため、術後の回復が早いなど多くのメリットがあります。大腸がんの中でも、横行結腸がんや直腸がんは腹腔鏡手術の難易度が高いとされていますが、当院ではこれまで安全に実施できております。

患者さんそれぞれの病状に合わせて、最も良い手術方法を相談させて頂きます。

大腸がんに対する化学療法

術後補助化学療法

手術で切除したがんを病理学的に検討した結果、Stage3および一部のStage2(高リスク群)と確定した患者さんには、患者さんの体の状況(合併症や年齢など)や就労状況、生活環境などを考慮し、かつ患者さん自身のご希望・考えを伺いながら、再発を抑制するために化学療法を実施することがあります。化学療法には、フッ化ピリミジン製剤単独投与する方法(カペシタビン内服など)、フッ化ピリミジン製剤に加えてオキサリプラチン点滴を行う方法があります。実施する際には治療効果や副作用などについて説明します。

切除不能進行再発大腸がんに対する化学療法

がんが非常に進んでいて手術で切除できない場合や、がんが再発した場合には、通常全身化学療法が最も効果的な治療法となります(切除ができる再発には手術を行うこともあります)。化学療法は、大腸がん治療ガイドラインに基づいて適切な方法を選択します。近年は、患者さんのがんの遺伝子の状態を検査し、より有効性が高いと考えられる化学療法を選択できるようになっています。

先進的取り組み

インドシアニングリーンを用いた腸管血流評価

大腸がん切除後の合併症の中でも最も重大なものが「縫合不全」です。腸管の吻合部が破綻し、細菌を含む腸管内容が腹部に広がり、急性腹膜炎から重症感染症へ悪化することがあります。できる限り縫合不全を防ぐ努力を行いますが、それでも完全に防ぐことはできません。結腸がんの手術では2~3%、直腸がんの手術では10%前後の割合で発生するとされています。縫合不全はさまざまな要因が関わって発生し、「腸管の血流不良」は重要な要因の一つです。手術中には、腸管の血流が良い部分を外科医が目で見て判断し吻合を行いますが、患者さんの腸の状態によっては容易に判断できないことがあります。しかし近年、医療機器の進化により、インドシアニングリーンという薬剤を手術中に静脈内に投与(注射)して、血流を蛍光で確認できる特殊な腹腔鏡装置(近赤外光内視鏡システム)を用いることで、より客観的に、腸管の血流の良し悪しを判断することができるようになりました。その結果、縫合不全の発生率を低下させることが明らかとなり、国内でも一部の施設がこの技術を導入しはじめています。(インドシアニングリーンは、肝機能や循環機能の評価に使用することがある検査用医薬品で、保険適用となっています。大腸切除術時の血流評価を行う上でも有用であると考えられていて、現在、日本外科学会から厚生労働省に対して未承認薬・適応外薬の要望が出されています。)


図:肉眼での観察(左)とインドシアニングリーンを用いた観察(右)

肉眼では、血流がよい腸管とわるい腸管の境目が不明瞭になりがちですが、インドシアニングリーンを使用すると血流がよい腸管だけが緑の蛍光色となるため、正確に判断することができます。

腹腔鏡下側方リンパ節郭清術

直腸がんの中でも肛門に近い下部直腸に発生した進行がんを根治的に切除するためには、骨盤の両サイドにあるリンパ節を切除(側方リンパ節郭清術)をした方がよい場合があります。側方リンパ節の周りには、重要な血管・神経・泌尿生殖器系臓器が存在していて、また複雑な構造をとっています。そのため、側方リンパ節郭清術は非常に難しい手術であり、従来は開腹手術で行うことが一般的でした。側方リンパ節郭清術を受けられる患者さんにも負担が少ない治療を受けて頂くべく、当院ではこれまでの治療成績などをもとに、腹腔鏡下側方リンパ節郭清術を導入しています。

経肛門的局所切除術

リンパ節転移の可能性が低い早期の直腸がんに関しては、経肛門的に局所切除を施行し、経腹的な手術をすることなく肛門温存が可能となる『経肛門的低侵襲手術(Transanal minimally invasive surgery, TAMIS)』も積極的に行っています。TAMISを施行した後に、進行度に応じて化学放射線療法を追加しています。患者さんの肛門機能は十分に満足でき、治療成績も非常に良好です。


図:経肛門的低侵襲手術の実際

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