No.57「新型コロナウイルス感染症への取組み」〔令和5年(2023年3月発行)〕
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更新日:2023年4月21日
新型コロナウイルス感染症への取組み
市立豊中病院は、第二種感染症指定医療機関として、令和2年(2020年)2月から、新型コロナウイルス感染症の診療を行ってきました。
今回は、3年間行ってきたコロナ診療について特集します。
1.新型コロナウイルス感染症と市立豊中病院の3年間
令和2年2月から6月中旬(第1波)
- 横浜港停泊中の客船乗客受入れ要請
- 新型コロナウイルス感染症入院患者受入れ開始
- 感染症病棟8床で受入れ開始
- コロナ感染症病棟運用開始、入院・外来診療の制限開始
- コロナ対応病床数20床確保(最大19床使用)
- 代替ガウン作製
- 救急体制の変更、面会禁止
令和2年6月中旬から10月初旬(第2波)
- 大阪府新型コロナウイルス感染症重点医療機関の指定
- 院内検査開始(抗原検査等)
- AI体温検知システム設置
令和2年10月初旬から令和3年2月下旬(第3波)
- オンライン面会開始
- コロナ対応病床数56床確保(最大39床使用)
令和3年3月上旬から6月中旬(第4波)
- 職員のワクチン接種開始
- UV消毒ロボット導入
- コロナ対応病床数68床確保(最大44床使用)
- 中等症・重症一体型病院(1)として登録
令和3年6月中旬から12月中旬(第5波)
- コロナ対応病床数54床確保(最大47床使用)
令和3年12月中旬から令和4年6月下旬(第6波)
- 中和抗体薬の外来治療の開始
- コロナ対応病床数60床確保(最大52床使用)
令和4年6月中旬以降(第7波)
- コロナ対応病床数61床確保(最大45床使用)
2. 数字でみる市立豊中病院の記録
妊産婦・小児・人工透析患者が感染した場合に受入れができる病院は限られており、積極的な受入れに取り組んできました。当院の令和2年度の分娩症例数は、大阪府下で2番目でした。
- 入院患者の在院者数(令和4年12月末現在):累計1,895人
- 妊産婦入院受入数(うち分娩数):令和2年度:20(6)人、令和3年度:45(17)人
- 小児入院受入数:令和2年度:25人、令和3年度:105人
- 人工透析・維持透析患者数:令和2年度:25人、令和3年度:29人
3. コロナ禍でいのちを守る人たち
<感染対策室> 感染対策を徹底したコロナ対応
- 令和2年2月に横浜港停泊中の客船内で発生した新型コロナウイルス感染者を受け入れ、当院の感染症の診療が始まりました。当初は、ウイルスに関する情報が少なく、感染対策室は主導となって感染対策を徹底し、受入体制を整えました。
- ナッジ(行動科学理論)を活用した感染予防と定期的な点検を行っています。また、市内施設への訪問、地域の医療従事者や施設職員へ感染対策の周知に努めています。
<産婦人科> コロナ陽性妊婦の自然分娩に取り組む
- 「地域周産期母子センター」として、大阪府下のコロナ陽性の妊婦さんを受け入れました。感染流行初期から感染症病棟内に分娩室を設置し、可能な限り自然分娩に取り組んできました。
- 無事にお母さんが新生児を抱くことができたときは、大変だったコロナ診療の中で、頑張りが報われたと感じられた瞬間でした。
<コロナ感染症病棟> 北摂で唯一の感染症指定医療機関として
- ウイルス変異株や治療薬に関する最新の情報を入手して、診療内容・感染対策をその都度見直しています。
<小児科>入院中の子どもの世話が困難に
- 家族で入院し、両親が重症化した場合、子どもの世話が困難になったり、回復した子どもを退院させることができないという問題が起こりました。退院先を探すなどの退院調整を行い、臨機応変に対応しました。
<腎臓内科・人口透析室>感染流行初期の透析患者の受入れ
- 感染流行初期には、近畿の透析症例の実に5分の1を当科で対応しました。
令和5年4月1日から診療科・部門名称が変わります
市立豊中病院では、医療の高度化・専門化に対応し患者サービスの向上を図るため、診療科再編など、組織体制の見直しを行います。
- 診療部門では、内科(総合内科)、形成外科、がんゲノム医療センターを新設します。
- 患者総合支援センター(患者総合支援部)を新設します。入院前から退院後まで安心して医療を受けることができるよう、医師・看護師・薬剤師などの多職種で連携し、患者さまを支援します。
訓練・セミナーの開催報告
夏休みキッズ感染予防セミナー[令和4(2022)年8月2日(火曜) 開催]
- 市内小学5年生から6年生を対象として、2年ぶりに開催しました。消毒ロボットの操作や口の中の細菌を顕微鏡で観察するなど、楽しみながらしっかりと学びました。
大規模災害対策訓練 [令和4(2022)年10月29日(土曜)開催〕
- 南海トラフ大地震を想定した訓練を実施しました。病院職員173人が参加し、本番さながらの実践訓練に取り組みました。
新興感染症受入れ訓練[令和4(2022)年11月16日(水曜)開催]
※新興感染症とは、かつて知られていなかった、この20年間に新しく認識された感染症で、局地的あるいは国際的に公衆衛生上問題となる感染症。
- 地域の医療機関や豊中市保健所と合同で新興感染症受入れ訓練を実施しました。
- 実際の対応の流れをリアルタイムで行い、参加者で課題解決に向けた検討を行いました
