脳卒中センター
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更新日:2024年10月9日
日本で死亡原因第4位、寝たきりとなる原因の第1位をしめる脳卒中。
近年、脳卒中の過半数を占める脳梗塞に対する超急性期(発症後4.5時間以内)治療の進歩により、早期の対応での有効性が判ってきました。市立豊中病院では、脳卒中センターを開設し、脳卒中を疑う患者さんの緊急受け入れに対応しています。
脳卒中センターの取組み
市立豊中病院の脳卒中センターは、24時間対応で脳卒中急性期(発症から初期の治療を要する期間)の患者さんを対象として、内科的治療(血栓溶解療法・合併症の予防など)、外科的治療(緊急手術、血管内治療など)のいずれにも対応できるチーム医療を行っています。
脳梗塞は血管が血栓で閉塞して脳への血流が途絶えることで生じる病気です。血栓を取り除き脳への血流を再開させる治療方法には血栓溶解療法と、血栓除去術の2種類があります。
血栓溶解療法は血栓溶解剤(t-PA)を注射し血管に詰まった血栓(血の塊)を溶かして血管を再開通させ脳梗塞を治療する方法です。発症4.5時間以内のみ使用でき、早く使用すればするほど後遺症が少なくなりますので、できるだけ早く来院していただく必要があります。太い血管が閉塞した場合には効果がないことがあり、後述の血栓除去術を行なうことが多くなっています。
血栓除去術は血管内治療(カテーテル治療)の一種です。下肢動脈の中に血栓を取り除く器具をいれ、脳血管まで移動、物理的に血栓を体外に取り除きます。発症6~8時間以内に使用すれば大きな効果が期待できます。患者さんの状態によっては発症24時間程度まで使用できることもあります。機器の改良により有効に血栓除去できることが多くなっています。
診療実績
患者数 令和5年
脳梗塞 | TIA | 脳出血 | くも膜下出血 |
---|---|---|---|
345名 |
25名 | 117名 | 21名 |
脳梗塞急性期再開通療法(令和5年)
- t-PA 42例
- 血栓除去術 43件
脳卒中センターの診療体制
担当医(脳神経外科医・脳神経内科医)が24時間365日間体制で対応しています。患者さんが救急車で搬送されている間、救急隊員からの直接連絡で状態を把握しながら受け入れの準備をします。緊急の患者さんに限っていますので、急を要しない患者さんは通常の診察時間におこしください。
- 24時間365日対応可能な緊急治療体制
- t-PA治療患者および、重症脳卒中患者はICU(集中治療室)あるいは HCU(準集中治療室)、SCU(脳卒中集中治療室)に入室
- 脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血の、緊急手術・血管内治療に対応
- 急性期のリハビリテーションの推進(早期社会復帰に向けて実施)
脳卒中集中治療室(脳卒中ケアユニット:SCU)
当院では、脳卒中救急の受け入れ体制を強化するため令和元年6月1日脳卒中集中治療室(SCU)を開設しました。9床規模で専門知識を持った職員が多く在籍し、専門的な治療を迅速に行なって早期のリハビリによる回復をめざしています。
対象疾患
対象は主として脳卒中ですが、他の頭部疾患も受け入れています。
脳神経外科領域では…
- 脳内出血
既往に高血圧症があり、急に半身麻痺、言語障害などが起こり、意識障害に至ることもある。
- くも膜下出血
突然、激しい頭痛、嘔吐で発症する疾患で意識障害を起こす場合もある。
- 慢性硬膜下血腫
高齢の方で数日間かかって運動障害などが進行する。過去2~3ヶ月以内に頭部打撲の既往があることが多い。
また脳卒中ではありませんが、頭部外傷なども対象としています。これらの場合は、通常の診察時間帯以外でも、特に急を要する患者さんに限り診察ならびに治療を行います。 なお急を要しない患者さんは通常の診察時間(月曜、水曜、木曜、金曜の9時~11時)に脳神経外科を受診していただきますようお願いいたします。
脳神経内科領域では…
脳梗塞、髄膜炎、てんかん発作、ギランバレー症候群など、急性期治療が必要な疾患を受け入れています。特に急を要しない患者さんは、通常の診療時間(平日9時~11時)に脳神経内科で診療させて頂きます。