事業者に求められるカスタマーハラスメント対策について
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更新日:2026年7月17日
令和8年(2026年)10月1日から、改正労働施策総合推進法により、労働者を雇用するすべての事業者にカスタマーハラスメント対策が義務化されます。
職場における「カスタマーハラスメント」とは
職場において行われる、以下(1)から(3)までの要素をすべて満たすものをいいます。
(1)顧客等の言動
(2)その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの
(3)労働者の就業環境が害されるもの
※電話やSNS等のインターネット上において行われるものも含まれます。
※顧客等からの苦情のすべてがカスハラに該当するわけではありません。また、障害者から不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨の意思を表明すること自体は、カスハラには当たりません。
顧客等とは
顧客、取引の相手方、施設(駅、空港、病院、学校、福祉施設、公共施設等)の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者(今後商品の購入やサービスの利用等をする可能性がある者も含む)をいいます。
社会通念上許容される範囲を超えた言動とは
社会通念に照らし、当該顧客等の言動の内容が契約内容からして相当性を欠くもの、又は手段や態様が相当でないものをいい、典型的な例としては以下のものがあります。
なお、この判断に当たっては、様々な要素を総合的に考慮することが適当です。「言動の内容」、「手段や態様」の一方のみが社会通念上許容される範囲を超える場合でもこれに該当し得ることに留意が必要です。
【言動の内容が社会通念上許容される範囲を超えるもの】
・そもそも要求に理由がない、又は商品・サービス等と全く関係のない要求
・契約等により想定しているサービスを著しく超える要求
・対応が著しく困難な又は対応が不可能な要求
・不当な損害賠償要求
【手段や態様が社会通念上許容される範囲を超えるもの】
・身体的な攻撃(暴行、傷害等)
・精神的な攻撃(脅迫、中傷、名誉毀損、侮辱、 暴言、土下座の強要等)
・威圧的な言動
・継続的、執拗な言動
・拘束的な言動(不退去、居座り、監禁)
労働者の就業環境が害されるとは
当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。
カスハラの防止のために講ずべき措置
事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません。(太字は、他のハラスメントで講ずべき措置とは異なる内容のものです。)
※対策を講ずる際には、消費者の権利や、障害者差別解消法における、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供義務に留意する必要があります。
■事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
・カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発する
・カスハラの内容及びあらかじめ定めた対処の内容(※)を、労働者に周知する
※管理監督者にその場の対応の方針について指示を仰ぐ、可能な限り労働者を一人で対応させない、犯罪に該当し得る言動は警察へ通報する、本社・本部等へ情報共有を行い指示を仰ぐ等
■相談体制の整備
・相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知する
・相談窓口担当者が、適切に対応できるようにする
■事後の迅速かつ適切な対応
・事実関係を迅速かつ正確に確認する
・被害者に対する配慮のための措置を適正に行う
・再発防止に向けた措置を講ずる
■対応の実効性を確保するために必要なカスハラの抑止のための措置
特に悪質と考えられるカスハラへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する
■そのほか併せて講ずべき措置
・相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、労働者に周知する
・相談したこと等を理由として不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発する
参考
厚生労働省ホームページ「令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について」(外部リンク)
合理的配慮とカスタマーハラスメントの適切な理解について
合理的配慮の提供の申し出(障害者が不当な差別的取扱いをしないよう求めることや、社会的障壁の除去を必要としている旨を表明すること)は権利行使であり、それ自体はカスタマーハラスメントではありません。
内容の正当性と、言動の適切性は分けて判断する必要があります。
障害のある人との建設的対話を通じて、実現可能な対応を検討しましょう。
事業者に求められる障害のある人への合理的配慮の提供義務について
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