子ども
子どもは独立した人格を持つ、人権の行使主体です。
長いあいだ、子どもは保護の対象とみられてきました。しかし、1989年に子どもの権利条約が国連総会で採択され、日本も1994年にこの条約を批准したことから、子どももさまざまな権利の行使主体であるという見方が徐々に広がりつつあるといえます。でも、現在の日本で子どもは人権の行使主体となっているでしょうか。周囲の大人たちは、「まだ早い」「十分な判断力を持っていない」などの理由で、子どもの権利を制限しようとします。しかし、大人たちがすべきなのは、子どもが自分の最善の利益につながる決定ができるように、自己決定能力を子どもにつけさせることです。それをしないで、子どもの権利を制限しようとするのは、とてもおかしなことです。子どもの権利について、じっくりと考えてみましょう。
子どもの権利条約―4つの柱
生きる権利
子どもたちは健康に生まれ、安全な水や十分な栄養を得て、健やかに成長する権利を持っています。この生きる権利は、もっともかけがえのない権利です。
守られる権利
子どもたちは、あらゆる種類の差別や虐待、搾取から守られなければなりません。紛争下の子ども、障害のある子ども、少数民族の子どもなどは特別に守られる権利を持っています。
育つ権利
子どもたちは教育を受ける権利を持っています。また、休んだり、遊んだりすること、さまざまな情報を得て、自分の考えを信じることが守られることも、自分らしく成長するためにとても重要です。
参加する権利
子どもたちは、自分に関係のある事柄について自由に意見を表明したり、集まってグループをつくったり、活動することができます。そのときには、家族や地域社会の一員としてルールを守って行動する義務があります。
子ども1
子ども2
