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住民監査請求Q&A

ページ番号:305692860

更新日:2023年4月20日

住民監査請求Q&A

Q1:住民監査請求は誰が行えますか?

A1:答え

 豊中市に住所を有する方(個人、法人)です(地方自治法第242条第1項)。

 ※任意代理人が請求する場合、監査請求人本人が権限を委任した旨を記載した監査請求人作成の委任状の提出が必要です。

Q2:住民監査請求は誰を対象にできますか?

A2:答え

 住民監査請求の対象となる者は、市の執行機関(市長、委員会※1、委員※2)又は市の職員(以下「関係職員など」といいます。)です(地方自治法第242条第1項)。

※1委員会
  委員会とは、市の教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会等をいいます。

※2委員
  委員とは、監査委員をいいます。

◇請求対象とされる行為は、職・氏名まで特定されていることが望ましいですが、財務会計行為が客観的に特定されている場合、「市長又は□□委員会(事務局含む)」といった記載で特定することもできます。

Q3:住民監査請求の対象となる事項はどういうものですか?

A3:答え

 住民監査請求の対象となる事項は、違法若しくは不当な財務会計上の行為又は怠る事実に限られます(地方自治法第242条第1項)。

 違法とは、法令に違反することをいい、不当とは、違法ではないものの行政上実質的に妥当性を欠くこと又は適当でないことをいいます。

〇財務会計上の行為とは

(1)公金の支出(補助金の支出、給与の支給など)

 公金とは、市の管理に属する現金などをいいます。

(2)財産の取得・管理・処分(土地の購入、金銭債権の放棄など)

 財産とは、公有財産、物品、債権、基金をいいます。

(3)契約の締結・履行(売買契約の締結、工事請負契約の履行など)

 契約とは、市を一方の当事者とする売買、貸借、請負その他の契約をいいます。

(4)債務その他の義務の負担(一時借入金など)

 債務その他の義務とは、市に財産上の義務を生じさせる行為をいいます。

※上記の財務会計上の行為が行われることが相当の確実さで予測される場合も含まれます。

〇怠る事実とは

(1)公金の賦課・徴収を怠る事実(下水道使用料の賦課、市税の徴収を怠るなど)

 賦課とは、住民に対し税等の金銭的納付義務を課する行政行為をいいます。
 公金の賦課・徴収を怠る事実の例としては、公の施設の使用料の徴収を理由なく怠っている場合、課税すべきものに故意に課税しない場合などが挙げられます。

(2)財産の管理を怠る事実(公有財産の保全管理、債権管理を怠るなど)

 財産の管理を怠る事実の例としては、市営住宅(公有財産)に不正に入居している者や市有地に無断で建物を建てた者に対して理由なく法令に基づく措置を取らない場合、損害賠償請求を怠る場合などが挙げられます。

Q4:住民監査請求の対象となる事項はどの程度特定することが必要ですか?

A4:答え

 住民監査請求の対象となる財務会計上の行為又は怠る事実は、個別的、具体的に適示し特定する必要があります。

○個別的・具体的の程度とは(最高裁判決 平成2年6月5日参照)

・財務会計上の行為又は怠る事実を監査委員が行うべき監査の端緒を与える程度に特定すれば足りるというものではなく、他の事項から区別して特定認識できるように個別的、具体的に摘示することを要します。

・財務会計上の行為又は怠る事実が複数である場合には、財務会計上の行為又は怠る事実の性質、目的などに照らしこれらを一体とみてその違法又は不当性を判断するのを相当とする場合を除き、財務会計上の行為又は怠る事実を他の行為などと区別して特定認識できるように個別的、具体的に摘示することを要します。

・監査請求書及びこれに添付された事実証明書の記載、監査請求人が提出したその他の資料などを総合しても、監査請求の対象が上記の程度に具体的に摘示されていないと認められるときは、当該監査請求は不適法であり、監査を実施しない(却下)事由となります。

Q5:違法又は不当である理由を示すことが必要ですか?

A5:答え

 住民監査請求の対象となる財務会計上の行為又は怠る事実は、違法又は不当なものに限られます(地方自治法第242条第1項)ので、監査請求人は、財務会計上の行為又は怠る事実について、どのような理由で違法又は不当なのかを具体的に示す必要があります。

 具体的理由の適示がない場合、監査を実施しない(却下)事由となります。

Q6:市に損害がない行為等について、住民監査請求はできますか?

A6:答え

 住民監査請求は、財務会計上の違法又は不当な職員の行為により市に財産的損失を生じ、または生じるおそれのある場合において、当該行為の未然防止または是正を目的としてなされるものであり、市に何ら財産的損失が生じるおそれがない場合には行うことはできません(最高裁判決 平成6年9月8日参照)。

 監査請求人は、財務会計上の行為又は怠る事実について、どのような損害が発生し又は発生しようとしているのかを示すことを要します。

Q7:住民監査請求はいつでもできますか?

A7:答え

 住民監査請求は、財務会計上の行為のあった日又は終わった日から1年を経過した場合は、正当な理由がある場合を除いて、行うことができません(地方自治法第242条第2項)。

 財務会計上の行為から1年を経過して請求書を提出する場合、請求書において、1年を経過したことの正当な理由を示す必要があります。

 なお、怠る事実について行う住民監査請求については、その事実が継続している限り、請求期間の制限はありませんが、怠る事実が終了した場合や、怠る事実が財務会計上の行為に起因する場合は、期間制限規定が適用されます。

○財務会計上の行為のあった日又は終わった日とは

(1)「あった日」

 違法又は不当な財務会計上の行為の「あった日」とは、公金の支出をした日や、契約を締結した日などのように、一時的な行為のあった日をいいます。

(2)「終わった日」

 違法又は不当な財務会計上の行為の「終わった日」とは、市有地の使用貸借契約の満了した日などのように、ある一定の期間継続する行為の終わった日をいいます。

○正当な理由とは

・天変地変等による交通途絶により請求期間を経過したような場合

・財務会計上の行為が極めて秘密裡に行われるなど、住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在又は内容を知ることができなかった場合(最高裁判決 平成14年9月12日参照)

 なお、こうした場合でも住民が知りうる状態になってから相当な期間内に監査請求をすることを要します(最高裁判決 昭和63年4月22日参照)。
 ※監査請求人の個人的な事情は含まれません。

○怠る事実について期間制限規定が適用される場合とは

(1)怠る事実が終了した場合

 財務会計上の行為の終わった日から1年を経過したときは住民監査請求をすることができないのと同様に、怠る事実の終わった日から1年を経過したときは住民監査請求をすることができません(最高裁判決 平成19年4月24日参照)。

(2)怠る事実が財務会計上の行為に起因する場合

 怠る事実を対象とする監査請求であっても、関係職員などの違法又は不当な財務会計上の行為に基づいて発生した請求権を行使しないことが財産の管理を怠る事実であるとして住民監査請求を行うときは、怠る事実に係る請求権の発生原因である財務会計上の行為のあった日又は終わった日を基準として期間制限を適用すべきであるとされています(最高裁判決 昭和62年2月20日参照)。

 例えば、「違法に安く土地を売却したことにより発生した損害賠償請求権を行使しないこと」が、違法に財産の管理を怠る事実であるとして住民監査請求を行うときは、土地の売却のあった日を基準として、1年を経過したときは、住民監査請求を行うことはできません。

○請求期限の起算日

 初日不算入の原則により当該行為のあった日又は終わった日の翌日(午前0時)となります(民法第140条)。

Q8:事実証明書は必ず添付しなくてはなりませんか?

A8:答え

 監査請求人は、違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実について、監査請求書に添付して事実証明書を提出しなければなりません(地方自治法第242条第1項)。

 事実証明書として何を添付するかの法令上の定めはありませんが、例示すると、次のようなものが考えられます。

 <事実証明書の例>
 1.情報公開制度により入手した財務会計書類などの写し
 2.違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実の記載のある市議会の議事録等の写しや決算書等の写し
 3.違法又は不当な財務会計上の行為又は怠る事実についての報道記事

 ※あくまで一例であり、具体的な内容によって事実証明書として認められるか否かが判断されます。

Q9:住民監査請求に基づく監査はどのような流れで行われますか?

A9:答え

 監査委員が監査請求書を受付けてから、監査請求人へ通知するまでの流れは、次のとおりです。
 ※監査請求が請求要件を具備している場合に、適法であるとして監査を実施することになります。なお、監査請求に補正の容易な形式的不備がある場合、補正が求められます。

Q10:証拠の提出や陳述はどのように行われますか?

A10:答え

 市では、証拠の提出及び陳述を「住民監査請求における証拠の提出及び陳述等に関する要領」に基づき実施しています。 監査請求書を受理した場合、監査委員は、監査請求人に対し、監査を行う旨を通知するとともに、証拠の提出および陳述の機会を設けることを通知します(地方自治法第242条第7項)。

 監査請求人は、証拠の提出や陳述を行うかどうか、選択することができます。

 監査委員は、必要があると認めるときは、監査請求人が陳述を行う場合に関係職員などを、また、関係職員などが陳述を行う場合に監査請求人を立ち会わせることができます(地方自治法第242条第8項)。

<証拠の提出および陳述>

(1)証拠の提出

 監査請求人は、陳述が行われる日までの間(陳述が行われない場合は監査委員が定める日)、監査請求書の趣旨に基づき、証拠の提出を行うことができます。監査委員事務局へ直接持参されるか、郵送してください。

(2)陳述

 陳述とは、監査請求人が、監査委員に対し請求の趣旨を補足して説明するもので、監査委員や関係職員などに質疑などを行う場ではありません。

 陳述は、監査請求人または代理人が行います。代理人が陳述を行う場合は、陳述開始までに委任状を提出しなければなりません。

 ※陳述では、必要に応じて、監査委員が指示や判断をすることがあります。

Q11:監査の結果に不服がある場合はどうしたらよいですか?

A11:答え

 監査請求人は、違法な財務会計上の行為又は怠る事実についての住民監査請求による監査の結果に不服がある場合、住民訴訟を提起できます(地方自治法第242条の2)。

 ※不当な財務会計上の行為又は怠る事実は、住民訴訟の対象事項とはなりません。

 ※同一住民が同一の財務会計上の行為又は怠る事実を対象として、再度の住民監査請求をすることはできません。
 (最高裁判決 昭和62年2月20日参照)

 住民訴訟を提起できる場合と提起できる期間は次のとおりです。詳しくは、裁判所にお問合せください。


住民訴訟を提起できる場合


出訴期間


監査委員の監査の結果または勧告内容に不服がある場合


監査の結果または勧告内容の通知があった日から30日以内


勧告を受けた執行機関等の措置に不服がある場合


措置に係る通知があった日から30日以内


勧告を受けた執行機関等が措置を講じない場合


勧告に示された期間を経過した日から30日以内


監査委員が請求の日から60日(外部監査人による監査の場合は90日)を経過しても監査または勧告を行わない場合


左記の60日(外部監査人による監査の場合は90日)を経過した日から30日以内


監査を実施しない(請求が却下された)ことに不服がある場合


監査を実施しない(却下)通知があった日から30日以内

お問合せ

監査委員事務局
〒561-8501 豊中市中桜塚3丁目1番1号 豊中市役所第一庁舎4階
電話:06-6858-2484
ファクス:06-6858-2676

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