明治創業!豊中にある創業100年を超える会社!-株式会社高尾鉄工所を調査-
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更新日:2025年12月23日

1908年(明治41年)「各種ボイラ」「圧力容器」の製造を行う会社として開業し、1941年10月大阪府西成郡から豊中市島江町に移転した「株式会社高尾鉄工所」に訪問し、お話を伺いました。
目次
私たちの仕事は、これを作ることです
高尾鉄工所の「ここ」がすごい!
高尾鉄工所がめざす未来!
私たちの仕事は、これを作ることです
―ところでこれ、読めますか?「汽罐」

株式会社高尾鉄工所取締役総務部部長 松山豊さん
これは、「きかん」と読みます。
「汽罐」というのは、密閉した鋼鉄の容器のなかで、圧力の高い蒸気を発生させる装置という意味があります。
高尾鉄工所は蒸気製造装置であるボイラを製造する会社です。
ボイラが作り出す蒸気には圧力がかかっていて、様々なことに利用できます。例えば、暖房や冷房、工場の機械の動力、病院での器具の殺菌、食品加工、遊園地の煙の演出やアトラクションの動力、クリーニングのアイロンや乾燥、発電など用途は多岐に及びます。
―ボイラはCO2製造装置って呼ばれてるってほんとですか?
ジョークも含めて、高尾鉄工所ではボイラのことをCO2製造装置とご紹介することもあります。ボイラの問題点は、ずばり「CO2を排出する」こと。日本のCO2の発生量は世界5位と大変多いのですが、日本で発生するCO2の約10%はボイラによる発電や工場利用が占めています。
それらをふまえて高尾鉄工所では、電気で蒸気をつくる「電気ボイラ」の開発・製造を進めています。
「電気ボイラ」の利点は、騒音・排気ガスが出ないことでもあります。現在の発電は8割を化石燃料に頼っていますが、今後再生エネルギーや太陽光での発電が進んでいけば、クリーンなエネルギーで蒸気を作ることができる電気ボイラが主流になっていくのではないかと思います。

スチームマキュムレータ
また、日本の主流は「貫流ボイラ(管によって構成され、管の一方から水を送り込みもう一方から蒸気を取り出す構造のボイラ。保有水量が少なく早く蒸気を発生させることができ、コンパクト)タイプ」ですが、「丸ボイラ(炉筒煙管ボイラ)タイプ」にこだわっています。
丸ボイラ(炉筒煙管ボイラ)は、貫流ボイラに比べて保有水量が多いという特徴があります。これにより、蒸気負荷が変動した状況でも、安定した蒸気供給を可能にします。
さらに、供給する蒸気は乾き度が高く、缶本体の寿命も長いことから、設置当初の高効率かつ良質な蒸気を長期間にわたって維持することができます。例えば、東京タワー地下で現在も稼働中のボイラがあり、それは「御年64歳!」
―64年!それはすごい。丸ボイラの一般的な寿命は約30年とされています。高尾鉄工所のボイラは製造するだけではなく、アフターメンテナンスも一体化して、ながーく使える環境にやさしいSDGsなボイラなんですね。
高尾鉄工所の「ここ」がすごい!
―高尾鉄工所が製造するボイラについて教えていただきましたが、ずばり100年企業になれた秘訣は何でしょうか?
100年企業になれた秘訣はずばり「ニッチ」であることです。
30年前から排ガスや騒音が出ない電気ボイラにこだわって設計・製造・アフターメンテナンスまで一貫した体制で製品の提供を行っています。また、お客様ごとのニーズに最適なボイラや圧力容器を提案し、長く安心して使っていただける電気ボイラをお届けすることを使命としています。
―高尾鉄工所だからこその「やりがい」(働く魅力)は何ですか?
「電気ボイラを通じ、環境や社会に貢献する」という明確な目標があるため、社内がチームとして一致団結していて働きやすいのが高尾鉄工所の魅力だと思います。環境対策をはじめ、電気ボイラの力で世の中に貢献できることをめざしている企業だということが伝われば嬉しいです。
工場を見学しながら、モノづくりや仕事現場を体験・体感できる「とよなかオープンファクトリー」の質問コーナーやクイズコーナーでは、会社のことをもっと知りたいという雰囲気があってとても嬉しかったですね。
地元豊中にこんな会社があることを知って、一緒に働きたいと思ってくれるこどもさんがいたらとてもありがたいです。

とよなかオープンファクトリーの様子
―とよなかオープンファクトリーでは参加されたこどもたちに、会社やボイラの説明だけではなく、SDGsを通した環境問題の話もされていましたね。
こどもたちが環境について考える機会になればと。
環境問題に対して、高尾鉄工所として電気ボイラや廃油炊きボイラを製作しCO2の排出量削減に向き合いつつ、次世代に対し環境問題の重要性や価値観を伝えることが高尾鉄工所のSDGsへの取り組みとなっています。
高尾鉄工所がめざす未来!
―100年を超えた
高尾鉄工所、創業200年をめざして、これから達成したい目標はなんですか?
「ニッチ」なトップ企業を目指していきたいです。
他社では電気で蒸気をつくることにネガティブなメーカーが多く、水素、アンモニア、メタネーションに注力しているようです。当社が考えるに水素、アンモニア、メタネーションは運ぶ、造るなどのハードルが高く、これからの時代は電気ボイラが来ると考えて、電気ボイラの設計・製造・アフターメンテナンスの一貫パッケージにこだわっています。

とよなかオープンファクトリーで見せてもらった電気ボイラ
―創業200年を迎えるのも楽しみですね。最後に、ボイラが生み出すエコな未来やボイラを通じてどう社会に影響を与えたいですか?
SDGsが世界中の共通認識となった今、環境に優しいことをして、省エネにむけて動いていきたいです。たとえば、ラオスは重油を高い価格で隣国ベトナムから仕入れています。現在ラオスでは水力発電が国内発電の7~8割を占めますが、水力発電で作った電気でCO2を出さない電気ボイラを動かすことで、CO2ゼロを実現することができます。これを足掛かりに東南アジアでの販路展開を加速し、電気ボイラの力で世界中のCO2発生量を減らしていくのが会社のミッションだと考えています。
―貴重なお話をありがとうございました。これからの挑戦、楽しみにしています!
株式会社高尾鉄工所
豊中市島江町1丁目3番29号
06-6332-5751
【編集後記】
今回の研修は、豊中市職員として働く中で、市内の会社がどんな取り組みをしているかを知るいい機会になりました。取材を通じて、高尾鉄工所の「ニッチ」な技術力と、環境への真摯な姿勢に心を打たれました。
「電気ボイラで世の中に貢献したい」という思いには、企業としての成長だけではなく、地域や地球へのやさしさが込められていて、深く共感しました。
今回の取材を通して、私たちも、日々の仕事が「誰かの役に立っている」という視点をもっと大切にしていきたいと感じました。正直なところ、日々の業務に追われていると、自分の仕事が社会や市民の生活とどうつながっているのか実感しにくい瞬間もあります。しかし、高尾鉄工所の話を伺い、自分の仕事を振り返る中で、私たちの一つひとつの仕事が市民の生活を支えていることを改めて実感しました。だからこそ、一つひとつの仕事を丁寧に行うこと、そして、制度や効率を優先するのではなく、その先に人がいることを意識して、市民の「思い」や「意見」に耳を傾けることを大切にして、日々の仕事に取り組んでいきたいと思います。
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