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四季を切り取る紙のアート

ページ番号:557490943

更新日:2026年1月9日


切り絵、それは世界をつなぐもの
光をすくい、影を描く切り絵画家 久保修さん
彼は切り絵で何を表現しているのか
その真意に迫ります
※掲載作品は取材時2025年11月時点のものです

目次

・切り絵との出会いと切り絵画家としての日々
・切り絵ミュージアムについて
・EXPO2025大阪・関西万博への出展
・久保さんにとっての切り絵とは

切り絵との出会いと切り絵画家としての日々

ー過去のインタビューで「大学の授業で建物の完成予想図を描く際に、ただ描くだけでなく、紙を切って貼り付けたことが切り絵との出会い」と
お話されていましたが、その発想はどこから生まれたのですか
実家が建築設計事務所だったので、家業を継ぐために大学の建築科へ入学しました。建築の設計図といえば、紙に鉛筆で描かれた複雑な図形を想像しますよね。
設計も絵も好きだったので図形を描くとき「紙を切って貼り付けたら面白い表現ができるのでは」と思い、鉛筆ではなくカッターナイフ片手に設計図を描きました。
これこそが紙を切って何かを創るという出会いであり、切り絵画家としてのスタートでした。

ー切り絵画家としてのこだわりはありますか
私は何百年と残る作品を創りたいという思いから、切り絵には和紙と柿渋を合わせた特注の丈夫な渋紙を主に使っています。

ー和紙にこだわる理由を教えてください
これまでは洋紙も使ってきましたが、阪神淡路大震災の際、何百年かけて作られてきた日本の自然や建物が一瞬にして消滅しました。
この光景を目の当たりにし、美しい日本の姿を未来まで残していきたいと心に決めました。
私が日本、特に四季に関する作品が多いことや渋紙を使うことにこだわるのはこういった原点があったからです。

ー切り絵画家として過ごしている中で影響を受けた出会いや出来事はありますか
この世界に入りたての時、影響を受けたのが「岡本太郎氏」「小松左京氏」です。
岡本氏からは、「すごく綺麗に切っているけど、絵として芸術作品らしさは感じない。冒険や壊そうとする感じは伝わらない」と言われました。
そこで相談したのが日本沈没を書いたSF作家「小松左京氏」です。
「表現する力が弱い、切ることはできるけど、絵が描けなかったら意味がない」と言われたことをきっかけに、
スペインで絵の勉強をすることを決めました。

切り絵ミュージアムについて

ーミュージアムの見どころを教えてください
ゆっくり流れる日本の四季や旬を表現した作品を見ることができます。その中でも、私が五感で感じ思う気象や動植物の変化を描いた七十二候(しちじゅうにこう)は、見る人に
色を感じてもらいたいため色は使っていません。また、日本の美しさを300年から400年先にも伝えたいという思いから、絵巻物風にしました。

ー1階のワークショップについて教えてください
1階は元々カフェでしたが、2年前に「切り絵を体験したい」という来館者の方々からの声と、文化として切り絵を広めたいという思いから、
ワークショップを始めました。ここでは、私の技術の全てを伝えることで次の世代に切り絵をつなげていきたいと思っています。

ーワークショップにはどのような方々が来られますか
アメリカの大学生や切り絵の創作を体験されたい家族連れ、プロになりたい方や切るのが楽しくてしょうがない小学生など
世代を超えてワークショップに来館されています。
切り絵などのモノづくりは、楽しさが原点です。参加者には、このワークショップを通じて何かを感じてもらいたい、
感じたことを切り絵でなくても他の何かに活かしてもらえたらと思っています。

EXPO2025大阪・関西万博への出展

ーEXPO2025大阪・関西万博に出展されていましたが、当時の思い出を教えてください
ワークショップではアートナイフを使いますが、会場へは刃物の持ち込みが禁止!?「さぁ、どうする。」となり、スタッフ全員で相談しました。その結果、切り絵になっている作品を持参し、参加者が好きなものを選び、うちわに貼り付けるワークショップを実施しました。海外からの参加者も多かったため、ナイフで切る体験をしてほしかったという思いはありましたが、ワークショップで作ったうちわを持って、会場を回ってもらうことができたことは良かったと思います。出展に際しさまざまな規制がありましたが、置かれた状況下で何ができるかを考えるためにたくさん知恵を絞る経験が出来ました。

ー今後の展望はありますか
世界で展覧会やワークショップを実施する時は、富士山や桜の作品を通じて日本を感じてほしいという思いをもって取り組んでいます。
同時に、切り文字でその国の「ありがとう」やその国の風景を切り絵で表現し、その国独自のアートへと広がっていくといいなと思っています。


春夏秋冬図 日本の四季を感じ取ることができる代表作

久保さんにとっての切り絵とは

ー久保さんの作品は切り絵ミュージアム以外ではどこで見ることができますか
百貨店や美術館などで見ることができます。例えば、今年は青森県の美術館で2か月間ほど展覧会を開催しました。
その際は、150点の作品を展示しました。展覧会用に300点程度の作品が保管されています。展示のテーマに応じて作品を選定しています。

ー今後新たに挑戦したいことはありますか
無限にあります。例えば、今年は夏が長く秋が短いなど四季の異常気象が発生していますが、その季節でしか出せない色があるので、
その色を創り出していきたいです。
また、食卓にはキュウリやトマトなど季節に関係なく食卓に上がります。その事自体は、農業の発展でもあるので良い事ですが、時節に応じて体が必要とする食材がある事を知った上で、食に関して興味を持ってもらえたらと思います。大切な日本を切り絵を通して伝えていきたいと思っています。
そういった日本の文化や風景、食卓、街並みなども大事にしたいと思っており、日本国内に住んでいる皆さんに切り絵を通して伝えていきたいです。

ーずばり久保さんにとって切り絵とは何ですか
人生そのものです。
私自身、切り絵画家として作品を創作し続ける中でたくさん苦労や困難がありました。
何かを続けていくことは大変難しいですが、そこでしか得られない知識や感性がありますのでどんな仕事でも継続することが大切です。
モノづくりを継続していくためには、自分の中で「これだ」というものを信じることが大切です。

ー本日は貴重なお話ありがとうございました

久保修切り絵ミュージアム
https://www.kuboshu-kirie-m.com/
大阪府豊中市岡上の町1丁目4番20号 ゆうみビル1階・2階
06-4866-6464
OPEN/10:30~16:00
定休日/毎週火曜日(祝日の場合は、翌水曜日)


久保切り絵ミュージアム

編集後記

久保修切り絵ミュージアムに訪れ、久保先生にお話を伺いました。
切り絵の美しさはもちろん、先生の温かなお人柄に触れました。久保先生が日本中を旅し、長い年月を経て作り上げた
「切り絵で描く七十二候」という作品を拝見し、何気ない風景の中にある日本の四季の豊かさに気づかされました。
インタビューを通じて、大阪・関西万博の出展時に、様々な規制があった中で何ができるのか知恵を絞った、というエピソードや、
久保先生の表現者としての人生観を拝聴し、自ら考え、自由に表現し、諦めずに続けることの大切さを学びました。
この学びを我々も日々の仕事に活かしたいと思います。
久保先生の大作「切り絵で描く七十二候」は、1枚の紙で繋がっている長さ10メートルもある作品で圧巻です。
ぜひこの記事を読んでくださっている方ご自身の目でご覧ください。


切り絵画家 久保修さん(中央)と3年目職員

お問合せ

総務部 人事課
〒561-8501 豊中市中桜塚3丁目1番1号 豊中市役所第一庁舎4階
電話:06-6858-2019
ファクス:06-6846-6177

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