本書の内容

　本書は旧石器時代から安土桃山・江戸時代に至るまでの市内の遺跡群の中から、特に猪名川流域の地域史を探るうえで欠かすことのできないものを抽出し、各時代に沿って遺跡ごとに解説しています。7章から成る本文と巻末の写真図版で構成され、これまで市内で発掘された約80遺跡を約1,300点に及ぶ写真図版とともに網羅的に紹介しています。本市域における遺跡分布の特徴として、複数の時代にまたがる「複合遺跡」が多いことから、本書では複合遺跡について一つの遺跡を各時代に分けてそれぞれの遺構や遺物などの説明を行っています。付録の遺跡マップ「豊中市域考古遺跡分布図」を参照しながら、各遺跡の位置関係について理解を深めていただけます。

左：大塚古墳出土：鉄製武器・武具類
中央：新免2号墳出土：武人埴輪
右：金寺山廃寺出土：瓦類

本書の構成

序章
第1章　旧石器時代
　・第1節 旧石器時代の概要
　・第2節 出土遺物の説明
第2章　縄文時代
　・第1節 縄文時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　(1)野畑春日町遺跡 (2)野畑遺跡 (3)内田遺跡 (4)新免遺跡
　(5)服部遺跡 (6)穂積遺跡 (7)原田西遺跡 (8)柴原遺跡
　(9)蛍池北(宮の前)遺跡
第3章　弥生時代
　・第1節 弥生時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　(1)勝部遺跡 (2)山ノ上遺跡 (3)野畑春日町遺跡 (4)小曽根遺跡
　(5)蛍池北(宮の前)遺跡 (6)新免遺跡 (7)箕輪遺跡 (8)待兼山遺跡
　(9)本町遺跡 (10)服部遺跡 (11)北条遺跡 (12)上津島川床遺跡
　(13)原田西遺跡 (14)岡町北遺跡 (15)原田神社境内出土銅鐸
第4章　古墳時代
　・第1節 古墳時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　1.集落遺跡
　(1)利倉西遺跡 (2)利倉遺跡 (3)利倉南遺跡 (4)上津島遺跡
　(5)上津島南遺跡 (6)島田遺跡 (7)庄内遺跡 (8)穂積遺跡 (9)豊島北遺跡
　(10)服部遺跡 (11)小曽根遺跡 (12)北条遺跡 (13)曽根遺跡 (14)山ノ上遺跡
　(15)新免遺跡 (16)本町遺跡 (17)蛍池西遺跡 (18)蛍池東遺跡
　(19)蛍池北(宮の前)遺跡 (20)柴原遺跡 (21)内田遺跡 (22)羽鷹下池南遺跡
　(23)熊野田遺跡
　2.古墳
　(1)待兼山古墳 (2)御神山古墳 (3)新免上佃古墳 (4)桜塚古墳群
　(5)梅塚古墳 (6)穂積古墳 (7)新免古墳群 (8)蛍池北古墳群
　(9)待兼山古墳群 (10)太古塚古墳群 (11)利倉南古墳群
　(12)その他の古墳および古墳群　
　3.生産遺跡
　(1)曽根埴輪窯跡 (2)桜井谷窯跡群 (3)窯跡群成立の意義
第5章　飛鳥・奈良・平安時代
　・第1節 飛鳥・奈良・平安時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　(1)柴原遺跡 (2)蛍池北(宮の前)遺跡 (3)蛍池東遺跡 (4)蛍池遺跡
　(5)本町遺跡 (6)金寺山廃寺 (7)新免遺跡 (8)山ノ上遺跡 (9)曽根遺跡
　(10)小曽根遺跡 (11)利倉南遺跡 (12)利倉西遺跡 (13)上津島遺跡
　(14)上津島南遺跡 (15)島田遺跡
第6章　鎌倉・室町時代
　・第1節 鎌倉・室町時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　(1)北刀根山遺跡 (2)山ノ上遺跡 (3)熊野田遺跡 (4)豊島北遺跡
　(5)服部遺跡 (6)寺内遺跡 (7)小曽根遺跡 (8)穂積遺跡 (9)利倉遺跡
　(10)椎堂の前遺跡 (11)上津島遺跡 (12)庄本遺跡 (13)原田城
　(14)南郷目代今西氏屋敷
第7章　安土桃山・江戸時代
　・第1節 安土桃山・江戸時代の概要
　・第2節 遺跡の説明
　(1)麻田藩陣屋跡 (2)原田西遺跡 (3)服部遺跡出土十字紋銅製鬼瓦

編集

豊中市史編さん委員会　考古部門委員会
考古部門委員長 ＝元甲子園短期大学・原口正三

執筆者

原口正三（元甲子園短期大学）　泉　拓良（京都大学）
山内基樹（奈良大学）　横澤　滋（奈良大学）　志賀智史（九州国立博物館）
本田光子（九州国立博物館）　柳本照男（NPO法人国際文化財調査研究所）　
池田　研（財団法人大阪市文化財協会）　木下　亘（奈良県立橿原考古学研究所）　
宇野隆夫（国際日本文化研究センター）　
能登宏之（関西学院大学非常勤講師）　
（所属は本書発行時点のものです）

発行

豊中市

発行日

平成17年（2005年）9月30日

規格

B5判・1008ページ

価格

1冊5,400円