本書の内容

　本書は、自然環境をはじめ、地形、地質、動植物、気象など、郷土の自然を多面的にとらえ、写真と図版で紹介しています。さらに、人間と自然との共生をテーマにしながら、今日の環境破壊の問題にも触れています。
　「豊中生物同好会」をはじめ、自然の調査や保護に取り組んでいる市民団体や個人の地道な活動も詳しく紹介するとともに、市民が観察・撮影した写真を数多く掲載するなど、“市民参加”の市史になっています。
　また、阪神・淡路大震災による市内の地震被害の特徴を地質・地盤条件をもとに考察するとともに、被害状況や震災対策活動などについて、分かりやすくまとめています。

左：珍しい直立した地層（西緑丘）
右上：ナワシロイチゴ
右下：美しい羽を誇らしげに輝かすキジ（少路）

本書の構成

第1章　自然環境とその変遷
　・第1節 都市化と自然環境 ・第2節 地理的特性 ・第3節 市域の拡大と自然
第2章　地形
　・第1節 地形のあらまし ・第2節 高度分布 ・第3節 地形分類 ・第4節 水系
　・第5節 地形区分 ・第6節 地形の移り変わり ・第7節 歴史に名を残す山
第3章　地質と地盤
　・第1節 地質の特徴 ・第2節 地質系統 ・第3節 地質構造 ・第4節 生活の場としての地盤 ・第5節 地盤の形成史
第4章　植物
　・第1節 破壊から共存へ ・第2節 調査・保護活動の歩み ・第3節 植物相の変遷 ・第4節 現在の代表的な植生 ・第5節 植生の変遷
第5章　動物
　・第1節 動物の調査活動 ・第2節 哺乳類 ・第3節 鳥類 ・第4節 爬虫類
　・第5節 両生類 ・第6節 魚類 ・第7節 昆虫 ・第8節 クモ、その他の陸生小動物
第6章　気象と自然災害
　・第1節 気象 ・第2節 気象災害 ・第3節 阪神・淡路大震災
第7章　人と自然
　・第1節 人類の誕生まで ・第2節 人間の歴史－化石人間 ・第3節 すばらしいもの－人間
・第4節 すばらしい人間からの転落－制御のきかない人間へ
　・第5節 再び「すばらしい人間」を求めて ・第6節 GM年表と人類の歩み
資料編

編集

豊中市史編さん委員会　自然部門委員会
自然部門委員長＝財団法人災害科学研究所・中世古幸次郎

執筆者

中世古幸次郎（財団法人災害科学研究所）　岡本茂（ランドシステム研究所）
中川要之助（同志社大学）　田村道夫（元神戸大学）　岡田博（大阪市立大学）
八鹿寛二（元大阪大学医療技術短期大学部）　柴山元彦（大阪教育大学附属高校）　（所属は本書発行時点のものです）

発行

豊中市

発行日

平成11年（1999年）3月31日

規格

B5判・746ページ、オールカラー

価格

1冊 5,400円