「成人式記念式典」の挙行にあたり、ご挨拶を申しあげます。

　本日、「成人の日」を迎えられた4,028人の新成人の皆さん、おめでとうございます。心からお祝いを申しあげます。
　オープニングでは、豊中市が誇る日本センチュリー交響楽団の演奏が、新成人として新たな門出を迎える皆さんを元気付け、祝福してくれました。
　今年は、例年とは異なり、今、私がお祝いを述べている市立文化芸術センターと、皆さんが卒業された中学校の体育館17カ所をオンライン中継で結び、式典を分散開催することとしました。また、ライブ配信もしていますので、本日出席されている皆さんや、ご家族をはじめ、祝福するすべての方々とつながっています。
　さて、この一年間、今なお猛威を振るう新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活は一変しました。家庭、学校、職場において、日々マスクの着用と手指消毒が感染予防対策として求められ、寄り添いが求められる社会において、ディスタンスをおかなければならない状況となりました。
　そのような状況の中で、感染リスクに直面しながらも、社会を維持するために、最前線で働いておられる方々に向け、皆さんと共に、感謝のエールを送りたいと思います。

　歴史をさかのぼれば、新型コロナウイルスも含めて、人類が誕生した20万年前から、私たちの祖先はウイルスと闘い続けてきました。膨大な数の犠牲を伴いながらも、人間は数々の危機を克服し、パンデミック後には、科学の進歩や新たな文化の創出に挑戦してきました。そして、生活スタイルから国の統治形態に至るまで、新しい価値観を生み出すことで、ルネサンスの源としてきました。
　さらに科学とグローバル化が進んだ現代に生きる我々は、逆境を力に変え、果敢に挑戦することで、必ずこの苦境を乗り越えることができると私は確信しています。
　アフターコロナの世界を築くのは、今日会場におられる新成人の皆さんです。困難な状況であっても自分の力を信じ、勇気をもって目標に向かって進んでください。輝かしい未来を切り拓く皆さんを、心から応援します。

　今年、豊中市は市制施行85周年を迎えます。この長い歴史のもと、学術・文化、スポーツ、音楽など、様々な分野で著名な功績が生まれています。
　その中から3名の名誉市民をご紹介したいと思います。ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎さん。映画監督の山田洋次さん。そして、昨年の2月に就任いただいた、日本を代表するロックユニット・B'z（ビーズ）のギタリストである松本孝弘さんといった、学問や文化芸術の進展に卓越した功績のある方々です。
　そして、85年にわたりまちの発展に大きな貢献をいただいている方がおられます。それは、まちの主人公である市民お一人おひとりです。様々な人と力を合わせ、皆さんに身近な生活の場面で、安全で安心して暮らせるまちづくりを進めていただいています。
　豊中市は、こうした豊かな人材に支えられながら、住みよい街として発展してきました。その歩みには、多くの人の歴史、そして人と人との絆が息づいています。
　新成人の皆さんも、これからの社会を創る主人公として、笑顔と活気に満ちたまちづくりの歴史を、私たちと一緒に紡いでいただきたいと期待しています。皆さんの活躍する姿を楽しみにしています。

　結びに、式典の開催にあたりご尽力をいただきました、企画・運営ボランティアの皆様に厚くお礼申しあげますとともに、皆様のご健勝とご多幸を祈念しまして、ご挨拶といたします。

令和3年（2021年）1月11日
豊中市長　長内繁樹

最後に、皆さんにお願いがあります。
ご存じのとおり、私たちは今、危機の真っ只中にいます。
感染は急速に拡大して、深刻さを増しています。
新型コロナウイルス感染症はただの風邪ではありません。
急速に重症化して人を死に追いやる、質の悪いウイルスです。

ワクチン接種は、豊中市でも3月から開始します。
しかしまだ特効薬がありません。だから亡くなる人が増えています。
今、制御できる方法は、私たちの行動の制限のみです。

本日は皆さんにとって、一生に一度、オンリーワンの大切な成人式です。
コロナに負けてたまるか、という思いのもとで開催を決定し、
晴れて大人の仲間入りをしていただきました。
皆さんと心を寄せて、一緒にコロナを克服したいと思います。

お願いがあります。
この後、もし予定していても、懇親会はまたの機会に延期してください。
保健所によると、久しぶりに会う人同士からの感染が拡がる傾向があります。

新成人の皆さんを信頼しています。

本日は皆さんとお会いできてよかったです。
おめでとうございます。