第十一回 市長が聴く「新田南公民分館長・Tag4代表 山内理恵さんに聴く」
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更新日:2023年3月20日
実施日
令和5年(2023年)2月22日(水曜)
はじめに
豊中市には、全41小学校区に、地域に根ざした市民の身近な社会教育機関である「公民分館」があります。
また、新田南小学校区では、地域団体や個人が集まり、校区の特性や課題を話し合う場である地域自治組織の設立に向けて動いています。
そこで今回は、新田南公民分館長であり、Tag4(※)代表の山内理恵さんに、公民分館の活動や地域間の連携、今後の地域活動などについてのお話をお聞きします。
(※)Tag4はローマ数字表記
対談要旨
地域活動を始めたきっかけ
長内市長
ようやくコロナも出口が見えてきて、昨年の秋くらいからは3年ぶりに開催される地域活動が増えてきました。
私も公民分館が主催している体育祭や文化祭に伺い、地域の皆さんにパワーをもらいました。
山内さんは、新田南公民分館長として長く地域活動を行っていただいていますが、地域活動に入るきっかけは何だったのでしょうか。
山内分館長
私の場合はPTAですね。子どもが2年生の時に小学校のPTAに入りました。
PTAの副会長をしていたのですが、会長より副会長の方が、いろいろなところへ出向くことが多く、その流れで、当時の新田公民分館に入ることになりました。それからずっと地域活動に関わっています。
しかし最近は、PTAから公民分館に来ていただくというのは難しいですね。
仕事をもつお母さんも増えてきていることも一つの要因かなと思います。
長内市長
豊中は、都心にも近く非常に便利なところです。
共働きしながら子育てをするのが当たり前の地域になってきていますね。
山内分館長
新田南校区では若い人たちがいろいろと改革されて、今はPTAをサポートセンターという名前に変えて活動しています。
会長や役員の下に色々な班を作り、人を募集する形になっています。
今年は、防災のことをやりたい人が集まり、1年間頑張ってくださっています。
子どもたちに防災の話をしていただいたり、炊き出しの体験として、おにぎりを作り、ふるまってくれたりしています。
長内市長
しなければいけないという役割を決めないのは、やる気が出る新しい仕組みかもしれませんね。
やらされるのではなく、自分たちが本当に地域でやりたいことをやることはよいと思います。
手伝える時には集まって力を合わせて、子どもたちや学校を中心としたイベントを盛り上げていきたいという気持ちを持ってくれるのは嬉しいですね。
山内分館長
新田南はそういう地域だと思っています。
公民分館活動について
長内市長
地域行事がなかったコロナの3年間、地域の皆さんは寂しがっていたのではないですか。
山内分館長
昨年は、体育祭と文化祭の両方を実施することができました。
体育祭は、いつもの運動会ではなく、個人参加の体力測定に変更して実施しました。
豊中市内に公民分館は41あり、同じことをしていてもおもしろくないなと思い、トランポリン体験も取り入れてみました。市長にも跳んでいただきましたね。(笑)
体力測定会には、予想よりも多い約300人の方に来場いただいて大盛況でした。
長内市長
トランポリンは初めて体験しました。(笑)
体力測定も、コロナ禍でもなんとかして地域活動を行おうという、皆さんの熱い思いが伝わってきました。
多くの人が楽しんでいましたね。
山内分館長
今回のにこにこフェスタ(新田南公民分館の文化祭)では、キッチンカーも企画しました。
キッチンカーの出店にあたっては、小学校にも協力していただきました。当日は長蛇の列ができ、大変好評でした。
長内市長
今、日本中でキッチンカーは大流行りですね。
コロナが始まり、豊中でもキッチンカーが流行りだしたと思います。
山内分館長
キッチンカーは見かけるけど、なかなか行けません。
でも、学校にキッチンカーが来てくれたら、キッチンカーそのものがわかり、街角のキッチンカーにも行きやすくなるのではないかなと思い企画してみました。
それも校長先生がキッチンカーを入れることを許可してくれたおかげです。
他の学校では許可がおりないこともありますし、学校にも先生方にも感謝しています。
長内市長
コロナ禍でイベントも少なく、特に子どもたちにとっては、楽しみが少なかったと思います。
その分、体育祭や文化祭で子どもたちが楽しそうにしている姿が見られて嬉しかったです。
学校とも連携しながら、学校という場所をうまく活用してくれてありがたいです。
Tag4について
長内市長
豊中九中校区には、4つの公民分館(新田、西丘、南丘、新田南)で結成したTag4があります。
市内でも他にない取組みですが、山内さんが、このTag4に関わるようになったきっかけと、どんな活動をしているのか教えていただけますか。
山内分館長
Tag4は、2011年頃に当時の豊中市立第九中学校(以下、九中)の校長先生から、九中は4つの小学校区から成り立っているので、中学校と4つの公民分館で一緒に何かすることはできないかという話をいただいたことが始まりです。
主な活動は、新成人の集いと千里音楽祭です。
このTag4の立ち上げ当初、まず考えたのは新成人のために何かできないかというものでした。
豊中市立第十七中学校で実施されている成人式を参考に、自分たちらしいものを考えていこうということになりました。
それが今の、千里新成人の集いです。
長内市長
昨年の千里音楽祭、今年の千里新成人の集いには、私も伺わせていただきました。
コロナ禍になってから、豊中市の成人式はそれぞれの中学校で分散開催しています。
新成人の皆さんが自ら動いて運営されている様子を見て、自分たちで作り上げる成人の集いなのだと感じました。
山内分館長
そうですね。千里新成人の集いでは、Tag4は縁の下の力持ちという位置づけです。
成人式の案内文の作成・封入からすべて、新成人が主体となって企画運営を進めてくれています。
こういうことを経験するのも、大人の第一歩なのかなと思います。
長内市長
行事に出席する立場ではなく、自分たちで企画して参加するという経験は大事ですね。
コロナ禍の3年間、成人式を中止や延期している自治体もありました。
しかし、20年間生きてきた証であるイベントを中止、あるいは延期するのは、私には考えられなかったです。
自分がもし二十歳の時に自治体の判断で成人式を中止にされたとしたら、やはりショックだったと思います。
今の子どもたちはインターネットやSNSでつながって、おめでとうと言い合えると思いますが、やはり一生に一度の式典ですからね。
山内分館長
私たちもコロナ禍の時にはすごく悩みました。
でも、市が開催すること、中学校でできるということで、成人の集いの実施に踏み切りました。
長内市長
ありがとうございます。成人の集いを実施していただいて本当に嬉しいです。
山内分館長
私たちは成人になった子どもを3,000人くらい見てきました。
毎年、大人になる日を見届けられてとても幸せです。
子どもたちは、オンラインでの市長の挨拶をきちんと聞いています。
国歌や市歌の時には誰も何も言っていないのに、さっと起立しています。
教育が行き届いていると思うし、みんな心も豊かに育っていると感じます。
そういう姿を見ていると本当に嬉しいですね。
長内市長
環境が変わっても、自分の生きる基本軸がどこにあるかが一番大切だと思います。
豊中の子は素直でかわいいですね。
山内分館長
学校も全面的に協力していただいており、Tag4の活動をやってきて良かったと思います。
今年でTag4も本格的に活動を始め、ちょうど10年になります。分館長同士は分館長会議で会うことはありますが、他の人たちは他の校区の人たちと会う機会もなく、話すこともないので、Tag4という場で、地域外の人たちと親しくなり、連携することによって新たな発想が生まれることもあります。
その発想を持ち帰り、活動の企画に役立てながら楽しくやっています。
地域活動の今後
長内市長
今まで進めてこられた地域活動でよかったと思うこと、また課題だと感じていることはありますか。
山内分館長
私は分館長という立場ですが、公民分館活動は分館のメンバーが力を合わせて行っています。
例えば、昨年のにこにこフェスタで、キッチンカーが長蛇の列で大変だった時には、自然発生的に整理券を作ろうという話が出るなど、それぞれが考えていい方向に動いてくれています。
また、高校生が太鼓の演奏やゲームコーナーの手伝いに来てくれているのですが、それを学校にも伝えてくれていて、そうしてつなげてくれているおかげで、学校側もまた行きますと言ってくれています。
次につなげるメンバーがたくさんいて、人に恵まれている私は分館長をやっていて良かったと思います。
分館長をやっていなければ巡り合っていない人たちだと思います。
長内市長
一緒にできる仲間がいることはとても良いことです。
参加する側だと得ることのできない喜びとつながりですね。
山内分館長
私の突拍子もない思い付きを実現してくれています。
ただ問題もあります。
どこの地域も同じだと思いますが、やっぱり活動の担い手が少ないです。
今回、広報誌を発行する際にも、長時間ではなく1時間でも助けてくれる人を募集しました。
子どもが遊びに来ている時間だけなどでも、地域活動に参加していただけると嬉しいです。
長内市長
公民分館の文化祭や体育祭では、若いお父さんやお母さんがたくさん動いてくれていますね。
山内分館長
育成団体のお父さんやお母さんが来てくださっています。
今年も7月22日(土曜)に夏祭りを予定しており、地域団体の方やボランティアを募集しています。
しかし、祭りの実行委員会の皆さんも高齢化してきているので、担い手不足は課題だと思います。
そして現在、担い手不足などの地域の課題に対して、様々な地域団体が集まり、お互いに協力しながら解決に向けた取組を話し合う、地域自治組織の設立に向けて動いているところです。
長内市長
山内さんを見ていて、まちはブルドーザーで作ることはできますが、コミュニティは人がつくるものだとつくづく感じます。
長く続いたコロナ禍ですが、今年はもう普通になんでもできるようになると思います。
3月の卒業式でも、マスクをしなくてもよいという通知を出しました。
これからは、脱コロナ、コロナルネサンスといった、新しい生活形態や生活の価値観を根付かせながら、地域活動を復活させていかなければいけないと思っています。
また、地域の課題解決には、多様な地域団体との連携が必要不可欠です。今後、地域自治組織を設立し、これまで以上に地域内の連携を強めることで、新田南校区の課題が少しでも解決できるよう、市もしっかりと支援していきたいと思います。
これからの活動を楽しみにしています。
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