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第五回 市長が聴く「豊中市PTA連合協議会会長 吉田宣弘さんに聴く」

ページ番号:857414137

更新日:2020年12月16日

実施日

令和2年(2020年)12月10日(木曜)

概要

 今年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、学校の長期休業や年中行事の中止または規模縮小など、子どもたちには我慢を強いた1年でした。それはPTAにおいても同様であり、これまで通りの活動が困難になりました。
 そこで今回は、コロナ禍におけるPTAとしての活動や今後の展望、また将来を担う子どもたちに対してできることなどについて、豊中市PTA連合協議会(以下、連P)の吉田会長と対談を行いました。

対談要旨

PTAは楽しい!!


長内市長(以下、市長)

 先月の11月に吉田会長をはじめ、連Pの新しい役員の皆さんとお会いしました。あの時は、コロナ禍でも子どもたちのために力になろうという皆さんの意気込みが伝わってきて、とても嬉しかったです。
 こんな大変な時に役員を引き受けられるのは、本来は辛いと思うはずですが、会長から「PTA活動は楽しんでやるものです」という言葉を聞いて感銘を受けました。

吉田会長(以下、会長) 
 私は、千成小学校で初めてPTAの役員になりました。地域の祭りなどで歴代PTA会長をされていた先輩方から次はお前だと言われていたので、PTAに関わったのは自然な流れでした。実際、千成小学校のPTA自体が、楽しんで活動しようという雰囲気だったので、無理に意識を変えたということではありません。
 ただ、自分の何でも楽しんでやろうと考える土台には、小学生の頃、先生から言われた言葉が影響しています。私は小5で父を亡くし、母子家庭になりました。家庭のことを色々言われることがあり、学校に行くのが辛かった時に、先生から「学校がおもろないなら、自分でおもろしてみたらどうや?君ならそれができるやろ?」と言われました。実際に面白いことをやってみようと行動に移すと、「面白そうやね。乗っかるよ!」と言って周りがついてきてくれました。PTAでもこの経験が活かされており、周りの皆さんに助けてもらいながら、楽しんで活動しています。
 WEB上では、PTAに関するネガティブな話題で溢れていますが、実際にやってみないと楽しさは分からないと思います。

市長
 会長に就任された時にプレゼンテーションをされたそうですね。会長の前向きなメッセージが役員の皆さんの心を捉えたのだと思います。

会長
 この時期の会長就任について、最悪のタイミングで会長になってしまったと悲観するのか、このタイミングで会長になれたことを機会と捉えるのか、考え方は2つあると思います。
 私たち、今の親世代はロストジェネレーションと呼ばれています。子どもの頃はバブル絶頂期でしたので、大人になってからの苦労は考えもしませんでした。しかし、社会に出る頃には就職氷河期の真っ只中で、家を買う頃にはリーマンショックでした。ただ、発想を変えるとピンチの乗り越え方を知っている年代なのです。実際、例年通りのPTA活動は困難な状況ですが、今までの経験を生かして乗り切っていきたいと考えています。
 私はPTAにドラッガーのマネジメント理論やマーケティング理論、ランチェスター戦略やコミュニケーションスキルなどを取り入れています。これは全てビジネスで学んだことです。やってみて、ビジネスだけではなくPTAという組織でも活用できると実感しました。ビジネスで学んだことや経験を、保護者はPTAでももっと活用して欲しいですね。

市長
 今はロスジェネ世代の経験が必要とされる時代ですね。連Pの役員の皆さんは熱意があって、豊中の宝は人であるとつくづく思います。

連Pと教育委員会は車の両輪

会長
 連Pの役員だけでなく、教育委員会との連携も上手くいっています。私は、連Pと教育委員会は、学校を良くしていこうという共通の目的に向かって、車の両輪の関係を築きあげていくことが当然だと思っていました。
 今は当たり前のように、毎月の連Pの会議に教育委員会の職員も必ず参加してくれていますが、他県の知り合いからは、「連Pの会議に教育委員会が入ってるの!すごいな!」と言われました。その時、他の地域では、教育委員会に物申すのがPTAの役割であることを初めて知り、自分が勘違いしていたことに気が付きました。でも私は、現在の私たちのやり方が正しいと思っていたので、勘違いしたことに気づかないことにしました。

市長
 これまでの状態から関係性が変化してきているのに、そのことに気づかず常態化している場合もあります。吉田さんは勘違いと言っているが、正当な勘違いで良かったと思います。PTAは任意団体であっても、教育委員会と掲げる目標と求める到達点は同じなので、車の両輪で進めていくべきです。

会長
 保護者の意見を学校や教育委員会に届けることは当然の役割だと思います。毎月の連Pの会議で保護者側から出される課題は、教育委員会で速やかに対応してくれており感謝しています。しかし、一方通行だけではなくて、特にコロナ禍においては、教育委員会から日常的に、休日であっても変わらずに情報をいただき、双方向でコミュニケーションが取れていました。
 また、保護者だけでなく、PTAのTは先生です。連Pは各学校の会長が集まって組織されています。私たちは、熱心に取り組んでいる先生や現場の良い取り組みなども教育委員会にどんどん情報提供していきたいと考えています。
 勘違いから出発しましたが、何が起こるか分からないこういう状況だからこそ、車の両輪として一緒にやっていきたいです。

市長
 先が見えない状況では、迷うことはあります。このコロナ禍は、誰もが初めて経験する状況で、まずは学校現場をどうすべきか、という議論から始まりました。そのような状況で、現場の教師の声、保護者の意見をつなげながら、一緒に走ってくれる相手が出てきてくれたことは本当にありがたいです。

会長
 義務教育学校の開校にも期待しています。大阪音楽大学の高木日向子先生による校歌の歌詞「五つの花が重なって一つになる」という部分が地域の皆さんの心に響きました。統廃合されることで、母校がなくなるという残念な気持ちも、もちろんあると思いますが、校歌の歌詞として母校が歌い継がれていきます。子どもたちも校歌を大切にして欲しいと思います。

将来を担う子どもたちへ

市長
 今年は、新型コロナの影響により、学校の長期休業や年中行事の中止または規模縮小など、子どもたちには我慢を強いた1年でした。子どもたちにしてあげることが少なくて、申し訳なく思っています。少しでも取り返すためにはどうすれば良いかをずっと考えています。

会長
 確かに、クラブ活動が制限されたりするなど子どもたちは辛い思いをしていると思います。しかし、その時、その状況で最大限の工夫をしながら練習したり、仲間で励まし合ったりすることで、子どもたちなりに課題を乗り越えようと努力していると思います。
 大人になってから困難な状況に直面しても「あの時もっとしんどかったけど、乗り越えてこられたやん」と、必ず将来に生かされる経験になっていると思います。人類の長い歴史では色々なことがあって、その都度人間は新しい発想や技術で乗り越えてきています。
 昨日、庄内さくら学園でタブレット端末の配布に関する保護者説明会を開催しました。PTAから校長先生に提案して実現したものですが、予想していたより沢山の保護者が参加され、とても熱心に聞かれており関心の高さが分かりました。今までの教育実践を一気に変える必要はありませんが、新しい学び方を通して、子どもたちには、これからの時代に必要な力を身につけて欲しいと保護者も期待をしています。

市長
 GIGAスクール構想の実現に向けて、タブレット端末を3年間で順次導入していく予定にしていましたが計画を前倒しました。これから先、10年後20年後に同じような困難な事態が起こったとしても、今の子どもたちには、それを乗り越えられるような英知を養ってほしいと期待しています。そのための投資と考えて今年度内に全ての学校に導入する決断をしました。
ところで会長は、これからの教育に期待することはありますか。

会長
 今は、私たちが育ってきた時と社会環境や価値観が大きく変化しています。物が溢れている今、子どもたちにハングリー精神を求めるのは難しいと思います。僕が子どもの時は、良い学校に入学して、良い会社に就職することに価値があるとされていました。しかし、今ではYouTuberも立派な仕事ですし、どのような形態であっても、誰かの役に立てば収入は得られる時代になっています。
 先日、中学校で、「どんな仕事がしたいか」という内容をまとめた張り紙を見ました。一番多かった意見は、「お給料が安定している仕事」や「環境が良く働きやすい仕事」となっていました。その中で、「人の役に立つ仕事」というのが1班しかなかったのが気になりました。保護者が子どもたちに自分たちの経験で仕事の価値観を話している結果かもしれませんね。
 今の子どもたちは、沢山ある中から必要な物を見つけるのが上手です。好きなこと、得意なことを探して、気軽に試すことができる。そして、誰かの役に立つ、人の役に立つという思いを常に持つ。そのような環境を作って欲しいと思います。

市長
 これからは、子どもたちの発育に合わせた教育が必要となってきます。好きな部分、得意な部分に気づき、伸ばせるよう、色々な経験が積める教育環境を作りたいと思います。そして、例えば将来、市外に出たとしても、自分の子どもを育てるときには、豊中で育てたいと思ってもらえる街にしたいですね。その可能性を豊中は秘めていると思います。目に見える、目立つものだけではなく、街の風土や雰囲気など、目に見えないところでも良さを発揮していきたいです。

これからのPTAについて

会長
 子どもの頃に地域や社会から受けてきた恩恵を何らかの形で返したいと思っていました。その恩返しという気持ちで、会長をやっている部分もあります。自分の今の姿を子どもたちが見て、何かを感じてくれたら良いと思っています。

市長
 豊中は、そういう思いが受け継がれていく風土の街だと思います。特産物などはないですが、そういう目に見えない価値は大切にしていきたいです。

会長
 そのためにも、豊中市のPTAはとても楽しいと思ってもらえるようにしたいですね。皆さんがPTAの会長を頼まれた時に「やっと自分の番が回ってきた。嬉しい!」と思えるような会にしていきたいです。
 PTA大会も今回はWEBで開催します。子どもも含めて誰でも視聴できるようにする予定です。他校の成功事例を共有して、現場の頑張りをシェアしたいと思っています。本来の目的である情報共有の場として成功させたいと考えています。
 
市長
 この大変な時期に頑張っている人は大勢います。今までは表に出ない、縁の下の力持ちが美徳したが、私は頑張っている人をどんどん広報していくことが大切だと思います。本当に私も会長から元気をもらいました。
 過去にも、辛い時期を乗り越えた結果、新たな世界が開けてきたように、しんどい時期を乗り越えたら、次は新しい世の中が開けてきます。この時期だからこそ、新しい展開が求められています。 
 私も今、豊中市の市長であることを使命と感じています。365日、24時間、市役所ではなく市民の代表として、命をかけてこの人口40万人都市を守っていく覚悟です。現状を嘆いているだけではなく、新しい世の中に向かう機運を一緒に創り上げて行きましょう。

会長
 ありがとうございます。私もPTAを通じて社会貢献をしていきます。また連Pの役員たちと一緒に市長に会いにきますのでよろしくお願いします。


連P役員の皆さん、岩元教育長と

お問合せ

都市経営部 秘書課
〒561-8501 豊中市中桜塚3丁目1番1号 豊中市役所第一庁舎3階
電話:06-6858-2010
ファクス:06-6858-4111

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