新成人の皆さん、おめでとうございます。
皆さんの晴れ姿を拝見すると、自分の娘や息子を、成人式の時に送り出したことを思い出します。
二十歳をお祝いする式に送り出したつもりなんですけれども、生まれてきてくれてありがとうといった気持ちがすごく湧き上がりました。
多分、皆さんのご両親もそうだと思います。
生まれてきてくれて、ありがとう。

　「成人式記念式典」の挙行にあたり、ご挨拶を申し上げます。
　本日、晴れて成人の日を迎えられた3,724人の皆さんに、心からお祝いを申し上げます。誠におめでとうございます。
　開式にあたり、豊中市を本拠とする日本センチュリー交響楽団の演奏で、この良き日を祝福させていただきました。
　本日の成人式は、皆さんが卒業された中学校の体育館17か所と文化芸術センターをオンライン中継で結び、開催しています。また本式典は、ライブ配信も行っており、本日、会場への出席がかなわなかった方ともつながっています。ご家族をはじめ、先生方、地域の方々と一緒に、皆さんの新たな門出をお祝いすることができ、大変嬉しく思います。
　さて、新型コロナウイルスの流行から3年が経とうとしています。
　この3年間、皆さんは様々な制限の中で、学校などへ行けず、友達にも会えず、大変厳しい青春時代を過ごされたのではないでしょうか。しかし、制約が多い中でも、懸命に頑張って得られた学びや経験は、これからの未来を生きる皆さんにとって何事にも代え難い人生の財産となります。
　現在もコロナ感染者数は高い水準にありますが、3年前とは大きく状況が異なっています。ワクチン接種による抗体保有率の上昇と、国産経口薬による治療法の拡大により、アフターコロナに向かって日本、そして世界は大きく変化しています。
　昨年は、夏の風物詩である「豊中まつり」が3年ぶりに現地開催され、過去最高の約21万人の来場者で賑わい、コロナ禍前に勝る活気を取り戻しました。また、地域で実施されている、お祭りや体育祭、文化祭など、様々な行事も戻ってきました。
　そして、皆さんと同世代の、豊中出身の若者の活躍が光った年でもありました。
　全国大会で優勝を果たした、大商学園高等学校の女子サッカー部や、箕面自由学園高等学校のチアリーダー部と吹奏楽部。また、北京オリンピックにアイスホッケー女子日本代表として出場し史上初の決勝トーナメントに進んだ山下光さん、栞さん姉妹、国際バイオリンコンクールにおいて日本人では41年ぶりとなる優勝を飾った前田妃奈さん、そして「国際子ども平和賞」を日本人として初めて受賞された川崎レナさん（※）など、様々な分野で躍動する若い人たちの姿に、明るい未来を感じたところであります。
　さらに2年後には、大阪・関西万博が開催されます。仮想空間やARの活用、空飛ぶクルマの実用化や宇宙旅行など、これまで想像や夢でしかなかったことが現実のものとなる、新しい時代が目の前に広がっています。
　これからの「未来社会」を切り拓いていくのは、他でもない、今ここで一緒にいる皆さんです。皆さんには、逆境を乗り越える若さと可能性があります。これからは、この間に蓄えた力を社会に向けて解き放つ時です。
　皆さんは、二十歳という人生の節目を迎えました。これまでの価値観や常識にとらわれず、新たな発想で、未来の可能性を広げていってください。そして、これからの社会を創る主人公として、笑顔と活気に満ちた未来につなぐまちづくりの歴史を、私たちと一緒に紡いでいきましょう。皆さんの活躍を私も心から応援しています。
　結びに、式典の開催にあたりご尽力をいただきました企画・運営ボランティアの皆様に厚くお礼申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を祈念しまして、ご挨拶といたします。

令和5年（2023年）1月9日

豊中市長　長内　繁樹

（※）「崎」はたつさきが正式表記です