第6章 地域自治推進の取組み(令和6年度)
ページ番号:347481729
更新日:2025年12月17日
豊中市自治基本条例では、地域のことをよく知る住民が地域課題の解決に主体的に取り組み、行政がその取組みを支援するという地域自治の考え方を示しています。
地域コミュニティ(小学校区程度)の活性化をめざす「豊中市コミュニティ基本方針」を策定し、続いて、地域自治を推進するためのしくみである地域自治システムの検討、やフィールド調査、意見交換を経て、地域自治組織や市の支援制度についての考え方をまとめました。
平成24年に豊中市地域自治推進条例を施行し、市は地域担当職員を配置するとともに、地域自治組織(小学校区単位)の形成と活動の促進を通じて、地域自治の実現をめざしています。
1. 地域自治組織の形成及び活動の支援
トピックス

豊中市の小学校区(旧校区)
10個目となる地域自治組織が島田校区で設立されました。
新たな人材を発掘するきっかけづくり及び地域活動を通じたつながりの強化となる取組みである「地域の大会議」の開催等を通して、5校区で検討会活動が始まりました。
市民公益活動推進委員会の答申に基づく新たな取り組み
| 答申項目 | 答申概要 | 令和6年度の取組内容 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 新しい人材を発掘するきっかけづくりについて | 地域活動の担い手確保が難しい。既存の地縁団体とテーマ型団体(NPOや事業者など)との連携を支援するとともに、それらに属さなくても地域活動を始められるような仕掛けづくり、今まで地域活動に参加していなかった人や学生など新たな地域の担い手となる人たちが連携できるような支援が必要。 | ワークショップ(地域の大会議)の開催 |
| 2 | 地域活動を通じたつながりづくりの強化について | 地域自治組織未設立の地域の活動をその地域の実情を考慮して外部から支援することにより、地域活動を通じたつながりを強化するような取組みが必要。 | 協働事業支援助成金の追加 |
| 3 | 情報ネットワークの提供や収集について | 新たな担い手を増やすほか、より多くの住民に地域活動の関心を持ってもらえるよう、デジタルなども活用しながら地域の課題を共有する情報発信の工夫が必要。 | 広報周知活動 |
令和6年度実績
1.地域の概況
| 年度 | 自治会数 | 加入世帯数 | 加入率 |
|---|---|---|---|
| 平成24年度 | 506 | 79,887 | 47.3% |
| 平成25年度 | 504 | 79,701 | 46.8% |
| 平成26年度 | 504 | 80,337 | 46.7% |
| 平成27年度 | 503 | 78,882 | 45.4% |
| 平成28年度 | 501 | 77,684 | 45.4% |
| 平成29年度 | 494 | 74,761 | 42.0% |
| 平成30年度 | 490 | 72,457 | 41.6% |
| 令和元年度 | 484 | 71,095 | 40.4% |
| 令和2年度 | 478 | 69,514 | 39.1% |
| 令和3年度 | 476 | 68,149 | 37.9% |
| 令和4年度 | 469 | 66,780 | 37.5% |
| 令和5年度 | 459 | 65,063 | 36.3% |
| 令和6年度 | 458 | 63,732 | 35.3% |

自治会加入率及び自治会加入世帯数の推移
団体名 | 主な活動 |
|---|---|
自治会 | 住民相互の親睦や福利向上を目的とし、また、住みよい地域社会づくりをめざして自主的に結成・運営されている市民組織。地域での情報共有や世代を超えた交流イベントの開催。 |
公民分館 | 地域住民が気軽に参加できる生涯学習の場として、小学校区単位で結成された組織。公民館と連携した活動や地区市民体育祭、文化祭など地域密着の活動を実施。また、さまざまなサークル活動を展開する公民館育成グループが登録。 |
校区福祉委員会 | おおむね小学校区単位に結成された民間の自主的な団体。敬老の集いや給食サービス、見守り・声かけ運動、ふれあいサロン、子育てサロン、ミニデイサービスや世代間交流事業などにより地域コミュニティづくりを進めている。 |
こども会 | 子どもたちが友だちと触れあい、自己をみがき、社会性を身につけるために種々の活動を展開する組織。 |
PTA | 小学校、中学校単位で組織された社会教育団体。保護者と教職員が協働して、教育に関する理解を深め、振興に努めるなど、子どもを取り巻く学校・家庭・地域の教育環境の整備をめざして活動。 |
老人クラブ | 高齢者(おおむね60歳以上)の社会参加や健康づくりが目的。健康づくり、趣味の活動など自身の生活を豊かにする活動に加えて、環境美化活動などの社会奉仕活動も展開。 |
民生・児童委員 | 厚生労働大臣から委嘱された特別職の非常勤地方公務員。担当地区内で生活のことや子どものこと、福祉などについての相談に応じ、関係行政機関と地域のパイプ役として活動。 |
防犯協議会 | 地域住民や企業・団体等の防犯委員によって自主的に組織され、防犯パトロールなど地域の実情に応じた活動のほか、ひったくり防止など、行政機関や警察と一体となった活動を展開。 |
消防団 | 郷土愛護と奉仕の精神のもと、「地域の安全は自分たちで守る」を合言葉に、地元在住・在勤の団員で構成。生業のかたわら昼夜を問わず、消火活動など地域の安心安全のために活動。 |
自主防災組織 | 自治会や町内会など、地域の中であらかじめ役割を決めておき、それに従って積極的に防災活動を行う住民の組織。 |
2.地域自治を推進するための仕組み…地域自治システム
地域自治システムは、これまでの地域の各種団体と市の各部局の分野別の関係に加え、地域と市が協働で地域課題の解決に総合的に取り組むための関係をつくるものです。
地域では、おおむね小学校区を範囲に、住民や団体が知恵や力を持ち寄って課題を解決していく寄り合いの仕組みをつくり、地域全体で取り組む必要のある課題や各団体に共通する課題に対応できるようにします。また、誰もが参加して地域のことについて話し合う場(ラウンドテーブル)をつくります。
他方で、市は、各部局が情報共有、協力・連携して地域の課題に総合的に対応するための体制を整えます。また、地域と行政をつなぐ窓口となる地域担当職員を配置。全市一斉一律ではなく、地域の主体性を尊重し、その特色を生かした、それぞれの地域ならではの取組みを促進し、地域自治の実現をめざしています。
3.地域自治組織の形成支援
(1)気運形成段階の支援…普及啓発活動、広報活動
| 校区名 | 取組み |
|---|---|
| 島田校区 | 自治会をはじめ、公民分館、校区自主防災組織の役員に対して、豊中スタイルの地域自治について説明、意見交換を行い、検討会の立ち上げに繋げました。 |
| 東泉丘校区 | 公民分館、校区福祉委員会、また新たに加わった地域人材に対して、令和5年度モデル事業「地域の大会議」のフォローアップとして意見交換を行い、検討会の立ち上げに繋げました。 |
| 庄内西校区 | 公民分館、連合会長等に対して、令和8年4月予定の庄内よつば学園開校による地域コミュニティの変化への対応として、地域自治組織の制度や仕組みを説明し、検討会の立ち上げに繋げました。 |
| 少路校区 | 13の地域団体の長に対して、豊中スタイルの地域自治について説明、意見交換を行い、令和7年度予定で検討会を立ち上げる話がまとまりました。 |
| 中豊島校区 | 中豊島小学校区安全・安心ネットワーク協議会に対して、豊中スタイルの地域自治について説明、意見交換を行い、まずは地域防災力の強化となる地区防災圏自主防災組織の設立に繋げました。 |
| 西丘校区 | 自治会連合会に対して、豊中スタイルの地域自治について説明、意見交換を行いました。また、自治会連合会と地域団体(公民分館、校区自主防災、防犯、校区福祉委員会)との意見交換をコーディネートし、校区として地域自治組織の設立に必要な条件やタイミングについて話し合いました。 |
| 豊南校区 | 連合自治会会長に対して、豊中スタイルの地域自治について説明、質疑応答を行いました。 |
目的 | 地域担当職員が、地域の活動現場を取材して地域の特性や課題等に関する情報を収集し、他地域での活動支援や地域自治推進の取組みに活かす。 |
|---|---|
内容 | ▼対象:防災訓練、夏祭りなど校区全体の行事を中心に、地域コミュニティの活性化に向けた取組み等 |
取材先 | 10校区 |
回数 | 20回 |
目的 | 各地域での活動や取組事例等を掲載した情報誌を広く共有する。 |
|---|---|
内容 | 〔第4号〕地域の大会議の紹介、イベントレポート(島田地域自治協議会の設立)を掲載しました。 |
| 校区名 | 概要 |
|---|---|
庄内校区 | 〇実施時期 |
庄内南校区 | 〇実施時期 |
| 校区名 | 概要 |
|---|---|
| 中豊島校区 | 校区の現状や課題の調査・整理、住民への情報発信を目的に、「中豊島校区防災アンケート」を実施 |
(2)検討・準備段階
校区 | 概要 |
|---|---|
豊島校区 | ・平成26年度 てしま連絡協議会設置 |
庄内校区 | ・平成28年度 庄内校区地域自治協議会(検討会)設置 |
島田校区 | ・令和5年度から検討会立ち上げに向けて意見交換を実施 |
| 東泉丘校区 | ・令和5年度にモデル事業「地域の大会議」を開催 |
| 庄内西校区 | ・令和6年度 庄内西地域自治検討会設置 |
| 庄内南校区 | ・令和6年度 庄内南地域自治検討会設置 |
【取組み】 | |
地域自治組織(初動段階・発展段階)の活動支援
(1)地域担当職員による地域自治組織の活動支援の概要
主な項目 | 内容 |
|---|---|
会議運営の支援(役員会・運営委員会、各校区:月1回から2回) | ・運営委員会の議題、進行方法などの助言 |
活動に必要な経費の支援(交付金) | ・交付金申込み、実績報告及び精算手続きの相談対応等 |
関係課との連絡、調整 | ・協議会からの要望に対する調整(道路改修等) |
「地域自治組織とNPO等との協働」への支援 | ・外部のテーマ型団体等との協働による取組みの支援 |
情報共有・意見交換の場づくり | ・地域自治組織の運営や事業についての情報共有や意見交換の場づくり |
地域活動の情報収集 | ・地域担当職員が地域の活動現場を取材 |
(2)地域自治組織ごとの活動支援の状況
校区 | 組織名 | 地域自治組織活動 交付金 | 主な活動内容 |
|---|---|---|---|
東丘 | 新千里東町地域自治協議会 | 交付決定額 2,591,000円 確定額 1,547,026円 | ・2024東町夏まつり (令和6年8月17日) ・防災訓練 (令和6年11月30日) |
北丘 | 新千里北町地域自治協議会 | 交付決定額 2,467,000円 確定額 2,432,732円 | ・北町つつじマルシェ (令和6年5月6日、令和6年11月9日) ・北町みんなで楽しまナイト (令和6年11月3日) ・防災訓練 (令和7年1月18日) |
小曽根 | 小曽根小学校区地域自治協議会 | 交付決定額 2,338,000円 確定額 | ・防災研修 (令和7年1月26日) ・防災訓練 (令和7年3月23日) |
刀根山 | 刀根山校区地域自治協議会 | 交付決定額 2,747,000円 確定額 2,454,328円 | ・TONEYAMA夏フェス (令和6年9月22日) ・マラソン大会 (令和7年2月16日) |
南桜塚 | 南桜塚校区地域連絡協議会 | 交付決定額 2,689,000円 確定額 2,422,931円 | ・防犯啓発セミナー 2回 (令和6年10月17日、令和7年2月20日) ・防災訓練 (令和6年11月23日) |
高川 | ゆめあるまち高川会 | 交付決定額 2,309,000円 確定額 1,835,367円 | ・高川まつり (令和6年6月16日) ・防災訓練 (令和7年3月23日) |
野田 | 野田地域自治協議会 | 交付決定額 2,543,000円 確定額 2,374,014円 | ・防災セミナー (令和6年10月26日) ・防災訓練 (令和7年1月18日) |
上野 | 上野地域連絡会 | 交付決定額 2,924,000円 確定額 2,442,490円 | ・防災訓練 (令和6年11月17日) ・防災研修(令和7年2月2日) |
| 新田南 | 新田南地域連絡協議会 | 交付決定額 2,501,000円 確定額 1,091,898円 | ・防災訓練 (令和6年11月17日) |
| 旧島田 | 島田地域自治協議会 | 交付決定額 | ・掲示板設置 |
(3)地域自治組織への活動支援の実績
・運営委員会などの出席
・「防災訓練」「防犯研修」「マルシェ」などの取材
・防災倉庫、掲示板の設置・調整
(4)地域づくり活動計画の策定支援
地域の将来像の実現に向けた活動を総合的かつ計画的に実施するため、計画期間や今後の活動内容などを記した複数年度にわたる中期的な計画。
◆地域担当職員による計画策定の目的等の説明
地域自治組織としての中長期的な取組みの課題、計画策定の目的等を地域で共有するプロセス及び計画づくりを、地域担当職員が専門アドバイザーとともに支援。
◆計画策定に向けたアドバイザー派遣
| 年度 | 校区 | 地域づくり活動計画 |
|---|---|---|
| 平成26年度 | 北丘 | 新千里北町CHI-ENプロジェクト |
| 令和5年度 | 小曽根 | 見えるか.com |
| 令和5年度 | 刀根山 | 地域づくり活動計画 |
(5)地域自治組織と学生等若者・NPO等市民公益活動団体との協働
市民公益活動団体による事業の企画・運営支援や学生等若者が自発的に地域活動に参加することを通じて、地域・学生等若者・市民公益活動団体の相互理解の促進を図り、持続可能な地域活動につなげることを目的として実施。南桜塚校区と小曽根校区では地域自治組織が主体的に地域の課題に取組み、諸団体との協働を継続しています。
令和2年度から小曽根校区では、地域活動の「見える化」をキーワードに、地域が参加した動画を撮影し、協議会のホームページに掲載するなど、NPO法人と協働の仕組みづくりを進めました。
地域自治組織 | 小曽根小学校区地域自治協議会 |
|---|---|
地域課題 | ・子育て世代や若者の興味や関心を引く誌面づくり |
課題解決に向けた取組み | ・団欒長屋プロジェクト(豊中市螢池西町の市民公益活動団体)との協働による広報誌発行の企画・編集 |
成果 | ・子ども記者取材による多世代交流 |
(6)地域自治組織交流会・人権研修概要
地域自治組織の運営に関わる方を対象に、組織運営及び事業実施での工夫や課題にかかる情報共有を通じ、参加者どうしの交流や今後の地域自治組織間の連携・協力に繋げる。
日時 | 令和7年1月29日 |
|---|---|
場所 | 豊中市立中央公民館1階集会場 |
内容 | 〇人権研修 |
参加者 | 〇16名(地域自治組織10校区)、7名(地域連携課) |
2. その他地域コミュニティ活性化の取組み
トピックス
毎月、自治会長宛てに配布している文書の掲示・回覧に伴う負担が軽減できるよう、デジタル掲示板として回覧物をホームページに掲載し閲覧できるようにしています。
自治会数も微減傾向が続いており、担い手の不足が課題となっています。相談対応、掲示板の配布、災害補償保険への加入などの支援とともに、自治会ガイドブックや、地域自治活動に関するNPOとの取組み内容を掲載した地域自治組織活動情報誌「トロッコ」を全自治会長に配布しました。
地域からの要望に応えて、画鋲が刺さりやすいように自治会掲示板の仕様見直しを行いました。
旧掲示板 新掲示板

仕様:防水ベニヤ板 仕様:ファルカタ合板
緑色塗料2回塗装 キシラデコール3回塗装
※ベニヤ板と比べると、ファルカタ合板は非常に軽く、柔らかいという特性があります。
キシラデコールは屋外用の塗料で防腐・防カビ・防虫性に優れており、特に外装の雨や紫外線など強い場所で、優れた耐久性を発揮します。
令和6年度実績
1.自治会活動への支援等
内容 | 実績 |
|---|---|
相談対応 | 152件。うち自治会・市の支援等に関すること130件、自治会の連絡先(個人情報)提供に関すること22件。 |
掲示板の配布 | 配布60枚 |
自治会活動保険支払実績 | 件数2件(事故件数) |
自治会ガイドブックの配布 | 自治会活動のヒントや市の支援制度、自治会の組織運営など、自治会活動に関する情報誌(A4判、17ページ) |
自治会への加入勧奨 | 転入者にチラシ配布(A4判1枚、10,000部) |
2.自治会への協力依頼
文書等の掲示・回覧等の協力依頼 59件(うち全自治会あて36件)
3.リーフレット等の作成
名称 | 内容 | 対象 | 部数 |
|---|---|---|---|
自治会加入促進チラシ | 自治会の活動紹介 | 市民 | 10,000部 |
自治会加入促進ポスター | 自治会の活動紹介 | 自治会長 | 2,000部 |
地域の大会議の案内と地域自治組織の設立の紹介 | 自治会長等 | 1,200部 |
3. 取組みの振返り
今後の地域コミュニティ活性化の取組み
- 新たな地域自治組織(庄内、東泉丘、庄内西、庄内南、千成、少路、中豊島)設置に向けた支援を行います。
- 未設置の小学校区を対象に、協働事業への支援やワークショップ開催など働きかけを順次実施します。
- 地域自治の推進に向け、地域活動団体を所管する関係課と対策を検討します。
- 地域を知り・考えるきっかけを目的に、トヨナカダッシュボードにより校区別データベースを公開します。(令和7年8月予定)
- 自治会をはじめ地域活動の相談支援として、コミュニティ活動を行う管理組合の状況把握に取り組みます。
参考ページ・資料

地域自治組織の取り組み状況
▼ 豊中市市民公益活動推進施策 実施状況報告書 目次ページ
▼ 第1章 市民公益活動への助成
▼ 第2章 市民公益活動基金「とよなか夢基金」
▼ 第3章 市民公益活動団体との協働
▼ 第4章 推進環境の整備
▼ 第5章 推進体制の整備
▼ 第7章 市民公益活動推進委員会
お問合せ
市民協働部 コミュニティ政策課
〒561-8501 豊中市中桜塚3丁目1番1号 豊中市役所第一庁舎5階
電話:06-6858-2041
ファクス:06-6846-6003



